タリホーです。

趣味を中心とした話題に触れていく所存(本格ミステリ・鬼太郎 etc.)

横溝正史

雨穴風お化け屋敷的〇〇村ホラー!?【映画「変な家」レビュー】(一部ネタバレあり)

さーて、ようやく映画「変な家」を観て来たのでレビューしますか! 実はちらっと既に映画を観た人の評価を目にしたのだけど、軒並み低評価が目立っていて「おやおや…?」と不穏な気持ちになったので、(本当は原作を読まずに観ようと思っていたが)原作を全…

2023年に見た作品を振り返る(アニメ旅の完走から傑作・凡作・駄作まで)

去年は総括みたいなことが出来なかったので、今年は総括として2023年に視聴したアニメ・ドラマ・映画の振り返りをしようと思う。 アニメ旅の完走 まず最初に今年の6月に企画した「夏のアニメ旅」を完走したことを宣言しておく。 tariho10281.hatenablog.com …

人は知らず知らずのうちに呪われ、祝福されている【映画「ミステリと言う勿れ」感想】

タリホーです。映画「ミステリと言う勿れ」、先月末に観ておきながら感想を後回しにしていたので、遅まきながら感想を残しておこうと思いました。 ||◤㊗️今年公開の映画初! 週末動員ランキング5週連続No.1◢||映画『#ミステリと言う勿れ』大ヒット上映中!10…

アリバイ検証と"よそ者"の役割【アンデッドガール・マーダーファルス #03】

ニコ動の配信で2話の視聴者コメントを見ていると「体感5分」とか「あっという間に終わった」といったコメントが結構あって、別に原作者でもアニメの制作スタッフでもないのに何か嬉しかったよ。ミステリって捜査パートが退屈というか形式的になりがちだけど…

吉岡版「犬神家の一族」は横溝正史の皮をかぶった麻耶雄嵩だった

はい、後編を見終えましたが、いや予想外過ぎてちょっとどこから語ろうかと軽く脳がフリーズを起こしてます。 放送直前のPR番組では脚本の小林靖子氏が「松子夫人にスポットライトをあてた」とか言っていたので、事件自体は大きく改変せず人物描写の方を深掘…

吉岡版「犬神家の一族」(前編)、現時点での感想

どうも、タリホーです。遂に吉岡版「犬神家の一族」が放送されました。 犬神家は過去に映画・ドラマ・舞台と何度も映像化されてきた作品であることは言わずもがなで、クリスティの『オリエント急行の殺人』並みに犯人が多くの人々に知られていると思いますが…

嫉妬!シャウト!葛藤!「シリーズ横溝正史短編集Ⅲ」視聴

昨日放送された「シリーズ横溝正史短編集」、どうでしたか? もう既にTwitterの方で触れたけど、昨日は関東ローカルで金田一少年の事件簿(4代目・山田涼介版)が再放送されており、(他局とはいえ)奇しくも孫とジッチャンの両方の作品を味わえる特別な日だ…

女のサーガとして改変された片岡鶴太郎版「本陣殺人事件」

先日CSで無料放送していた片岡鶴太郎版の「本陣殺人事件」を録画で視聴した。 「本陣殺人事件」の映像作品はこれまで古谷一行の連ドラ版と2時間ドラマ版を見ているが、今回の片岡版はそれらとは全く趣が異なる異色の改変が為されたドラマだった。 (以下、今…

令和版「蝶々」は「本陣」へのリスペクトか? 探偵・由利麟太郎 5話「マーダー・バタフライ 後編」(ネタバレあり)

放送前、横溝クラスタを湧き立たせた『蝶々殺人事件』をはじめとする由利麟太郎シリーズのドラマ化の報からざっと3か月半ほど経ち、こうしてドラマは幕を閉じたけど、続編やってほしいな~。 『真珠郎』やってもええんやで。#探偵由利麟太郎 — タリホー@ホ…

亡霊は必然かオカルトか、探偵・由利麟太郎 4話「マーダー・バタフライ 前編」(ネタバレあり)

先週まで怪奇色がドギツかったが、ちゃんと「蝶々」は本格寄りになっていて次週最終回なのが惜しまれる。#探偵由利麟太郎— タリホー@ホンミス島 (@sshorii10281) 2020年7月7日 昨日は盛り上がりましたね。ここからって所で最終回が来るからホント殺生な話で…

踊るピエロはやむを得ずピンヒール、探偵・由利麟太郎 3話「殺しのピンヒール」(ネタバレあり)

ドラマ公式がゆりりん言っちゃった。#探偵由利麟太郎— タリホー@ホンミス島 (@sshorii10281) 2020年6月30日 等々力がトドは意外だった。#探偵由利麟太郎— タリホー@ホンミス島 (@sshorii10281) 2020年6月30日 いや「トド」で来るとは思わなかった。 (以下…

“ミステリ”から“クライムフィクション”へ敢えての転向、探偵・由利麟太郎 2話「憑かれた女」(ネタバレあり)

どうも、タリホーです。 由利麟太郎も今回でようやくテイストの的を捉えられた気がするが、今回もまた様々な改変が為されているのでチェックしていこう。 (以下、原作・ドラマのネタバレあり) 「憑かれた女」 原作は1948年初出。不良少女の西条エマ子が悪…

「誰がここまでやれと言った」感満載、探偵・由利麟太郎 1話「花髑髏」(ネタバレあり)

遂にこの日が来た! 戦前の作品を令和の時代に連ドラとしてリメイクする大挑戦、こちらの予想をはるかに超える形で映像化されていて、ビックリしたよ。 由利麟太郎シリーズとは まずざっくり由利麟太郎シリーズについて紹介。原作は1933年から1961年にかけて…

ミステリ作品における「こんな殺され方は嫌だ」グランプリ(候補作)

突然だが、人間誰しも出来ることなら楽に死にたいものである。しかし残念ながら日本は安楽死は法的に認められていないし、ミステリという虚構の中においても楽に死ねた被害者はあまりいない。 ということで、ミステリ作品限定で特に嫌な殺され方をした人が出…

「#好きな邦画とりあえず9本」挙げてみた

大誘拐悪魔の手毬唄全員死刑ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌TRICK劇場版妖怪大戦争(2005年版)姑獲鳥の夏平成狸合戦ぽんぽこテルマエ・ロマエ #好きな邦画とりあえず9本— タリホー@サラリーマン山田 (@sshorii10281) 2020年2月13日 いざ考えるとパッと出てこな…

前代未聞の30分で「犬神家の一族」チャレンジ!?(シリーズ「横溝正史短編集Ⅱ」)

第三週目は過去最大の問題作、約30分で長編『犬神家の一族』を描く前代未聞の試み。これを正しく評価するには、まず原作の要点を振り返るしかないよね。 (以下、原作・ドラマのネタバレあり) 『犬神家の一族』、各章のおさらい 原作は発端から大団円まで計…

奢侈淫佚な事件が洒落っ気溢れるMVに変わる「華やかな野獣」(シリーズ「横溝正史短編集Ⅱ」)

奢侈淫佚(しゃしいんいつ)…ぜいたくにふけり、みだらな楽しみや遊興にふけるさま。 待ちに待った第二週目は「華やかな野獣」。原作本は手元になく、電子書籍もやっておらず、古書店巡りもしなかったので、今回に限っては原作未読で楽しませてもらった(物…

時代性を排除した「貸しボート十三号」(シリーズ「横溝正史短編集Ⅱ」)

シリーズ「横溝正史短編集」、前回放送されたのが2016年11月なのでその間約3年ちょっと。そしてその3年ちょっとの間にシリーズ「江戸川乱歩短編集」の方は第二・第三シーズンの話が放送されていたため、横溝クラスタの一人である私、「金田一の方はまだなの…

『狩人の悪夢』における『本陣殺人事件』らしさ(ネタバレあり)

正月休みの勢いにまかせて、『狩人の悪夢』を読了。その際に『本陣殺人事件』らしいものを感じたので自分なりに考えてみた。 (以下、『狩人の悪夢』『本陣殺人事件』のネタバレあり。また『狩人の悪夢』はHuluオリジナルドラマ版についても言及するので未試…

五百子に手毬唄検索機能が搭載された、加藤シゲアキ版「悪魔の手毬唄」(ネタバレあり)

前作「犬神家の一族」から一年、正直前作の出来がイマイチだったので「今回もイマイチだったら感想を書くのやめようかな~」と思っていたが、なかなか良かったので書くことにした。 (以下、ドラマと原作のネタバレあり) 加藤シゲアキの金田一(通称「シゲ…

愛が多すぎてまとまりに欠けたBSプレミアム「八つ墓村」(ネタバレあり)

今回の八つ墓村、2004年の稲垣版から実に15年ぶりのドラマ化だったのか。 さあ、視聴後の熱冷めやらぬうちに感想をば。 (以下、ドラマ・原作のネタバレあり) 愛がテーマの吉岡版 インタビュー記事で既に紹介されていた通り、今回の八つ墓村は「愛」がテー…

傑作本格ミステリ、映像化続々(『屍人荘の殺人』『大誘拐』『犬神家の一族』)

今年の7月に井上真偽原作のドラマ「探偵が早すぎる」が放送された時は、 「探偵が早すぎる」の映像化が早すぎる といった一言がミステリクラスタの間で飛び交ったが、 この度またまた早すぎる映像化が決定した。しかも今回は映画化。 それが今村昌弘のデビュ…