今回は9月30日までの配信。
※感想どうしようか迷ったのでUPが遅くなりました。
ゆうれい電車のルーツは「注文の多い料理店」?
5期のゆうれい電車回の感想は6期の再放送時に言及したのであまり語ることはないが一応また見直してみてどう思ったかは書いておきたい。
気付いている人も多いから今更こんなことを言うのもアレだが、ゆうれい電車のプロットって宮沢賢治の「注文の多い料理店」が元になっているような気がする。水木先生が「注文の多い料理店」から着想を得たと生前語った訳ではないから憶測の域から出ないけど、物語の質感が似ているから余計そう思うんだよね。
プロットの共通点としてはざっとこんな感じ。
①恐怖体験をするのが男性二人組
②二人組の性格に難がある
③危機的な状況下でも自分に都合の良い形で解釈する
④体の一部に体験をした痕跡が残る
①は当然として②は見逃しがちなポイントなので一応説明しておくが、「注文の多い料理店」の男二人組は序盤の会話や連れて来た猟犬の死に対する態度から、動物の命を軽視し損得勘定で物事を見る嫌な人物だということが明確に描かれている。この二人が食われる側として怖い目に遭うのが、「ゆうれい電車」の物語でも描かれた人間の驕りを戒めるプロットに共通している。
③に関しては、どちらかというと「注文の多い料理店」の方がその色合いが強く、「ゆうれい電車」の方は気付いていてもスルーした結果ギリギリの所で危機的状況に気付くみたいな話だ。そして④は「注文の多い料理店」の場合はクリームを塗った顔が風呂に入ってもクリームが取れることなく泣き崩れた時のまま跡が残るというオチだったが、「ゆうれい電車」の場合はたんこぶ一つで済んでいるのでまだマシだと言える。
水木先生は海外の児童文学なども読んでいたからもしかすると元ネタは「注文の多い料理店」ではないかもしれないが、一応共通項を見つけたので仮説として披露することにした。「海外にも似たような話があるよ~」と詳しい方がいたら教えて欲しい。
臆病者はさみしがり屋
6期の再放送の際、5期のゆうれい電車回で脚本が大幅に改変されたことは言ったと思う。その中で、吉永の横暴な振る舞いに「先輩は本当は臆病だから力でねじ伏せようとするんだ」と木下が指摘する下り、特に心当たりがある人にはドキリとした一言だったのではないだろうか?
自分の弱さが露見することを恐れて誰かを抑圧するというのはよくある話だが、同時にそういう人は誰かを抑圧しないといけないという点で孤独感や寂しさが常につきまとっているのではないかと思う。劇中の吉永も妖怪に出会い独りきりになった途端、不安になって木下を探しまくっていたでしょ?あれは妖怪にビビっていたというのもあるけど、それ以上にこの異様な電車にこのまま一人でいることに対する不安の方が強かったのではないかな~と思うのだ。
あとは前に書いたことと同じ感想しか思い浮かばなかったので今回は短いがこれで終わり。次回は雷獣だが、話はほとんど覚えていないので新鮮な気分で見られるだろう。