タリホーです。

趣味を中心とした話題に触れていく所存(本格ミステリ・鬼太郎 etc.)

ゲゲゲの鬼太郎(5期)第3話「妖しき旋律! 夜叉」視聴

今日配信された3話は再来週の8月19日までの配信。今回は1日早く配信が切り上げられるみたいなので要注意。

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3期のアンサーソング

夜叉についての説明は6期86話で言及したので割愛するが、改めて言及することも少しある。

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というのも、5期の夜叉は過去に鬼太郎と戦ったことがある設定で、人間の心の闇(嫉妬や憎悪)に付け込み何度でも現れるという。今回の楽家のスランプに付け込む手口は3期と同じだが、3期との繋がりはあくまで脚本の長谷川氏が意識した程度で劇中でつながりを示唆する描写はなかったと思う。

 

※過去に夜叉と戦った描写が一瞬映るが、その鬼太郎が着用しているチャンチャンコの柄は一番下(裾)から黒・黄・黒…となっている。ファンなら承知だと思うが、3期のみチャンチャンコの柄が他期とは逆で一番下から黄・黒・黄…となっている。だから3期と5期の鬼太郎が同一であるとは考えられない。

 

それでも3期と5期は比べてみるとなかなか面白いところがある。例えば夜叉のターゲット層が女子学生から男性オタクへと変わっている点。ちょうど5期が放送された頃は秋葉原オタク文化が隆盛だった頃だと思うし(オタク文化自体はもっと前からあったけど)、劇中での「萌え」とかも今聞くと古いと思ってしまう。

そして3期はねずみ男が夜叉退治に大きく貢献しているのに対し、5期は直接的な退治に貢献してはないものの、事件調査の仲介役として貢献している。3期のねずみ男は音楽オンチの設定があり、それゆえ夜叉の音響催眠が通用しないことになっているが、原作「吸血鬼エリート」ではエリートの音楽にノッて踊っているし、4期では音響催眠で魂を抜かれ危うく死にかけたのだからねずみ男の音楽オンチは3期独自の設定だ。これが原因かどうかはわからないが、3期でエリートの回はやっていない。

(それにしても、事件調査がスムーズに進んだのはねずみ男のおかげなのに、ガードマンとしての謝礼金をスッて相手方に全額返金した目玉おやじはなかなかに鬼畜である。せめて手数料くらい受け取らせても良かったのでは…と人間サイドの私は思うのだが、ねずみ男を妖怪サイドに置きたい目玉おやじや鬼太郎の考えは違うのだろう)

 

退治方法にしても3期は派手なバトルや鬼太郎の特殊能力(カメレオンの術)で夜叉を退治したのに対し、5期は憑依された本人――月野小夜子による所が大きい。鬼太郎の人間を傷つけない精神に感化されて改心、夜叉が小夜子から離れた所を鬼太郎が体内電気で退治…という流れになっている。これは初回で人間の子供に対して冷たさが目立ったため、ここでヒーローとしての鬼太郎=人間のために犠牲になることを厭わないことをアピールする意味があったに違いない。

そして結末。3期では改心した音楽家が再び自分の力で曲を作りコンサートで歓声を浴びるという、一種のサクセスストーリーとして終わっている。一方の5期は引退という形でけじめをつけている。この辺りも当時の世相を表していて、今の視点で3期を見たら「あんなことしといてよくもまぁおめおめと復帰しているな」といった意見も出て来るのではないかと思う。

 

以上簡単に3期と5期の比較をしてみたが、1・4期が夜叉の不気味さやおどろおどろしさを意識した物語だったのに対し、3期は挫折した音楽家の復活を描いたサクセスストーリー、5期は3期のアンサーソング的物語として描かれていたように思う。

特に5期は過去作の定石を逆手にとってギターを演奏している不審者が実は夜叉に操られた替え玉で、本体はターゲットと思われていた小夜子に憑依していたというミステリ仕立ての構成になっていたのも評価したい。

 

 

次回は一反木綿のメイン回。どんな話だったか4割方忘れているので楽しみですね。