こう言ったら何だけど、今回はタイトル詐欺回だったな。#ゲゲゲの鬼太郎
— タリホー@ホンミス島 (@sshorii10281) 2019年12月22日
「抜魂のクリスマス」じゃないかと思ったけど、抜いていたの生気だしな…。
夜叉
86話ゲスト妖怪「夜叉」
— タリホー@ホンミス島 (@sshorii10281) 2019年12月22日
原作「夜叉」に登場。作中では明示されてないが、中国からきた妖怪のようで、ギターの音色で人を自由に操り、魂を奪って食料にしていた。本体は頭髪で、歯も胃もなく、そのため魂しか食べられない。#ゲゲゲの鬼太郎 pic.twitter.com/yFNfvZAW8Z
予告で鬼太郎ファンなら察しがついていたと思うが、今回人間に憑依してサンタクロースの振りをしながら子供の生気を奪っていたのは夜叉。
原作ではギターの音色で相手を夢遊病者のような状態にしてから魂を抜き取る妖怪だったが、今回ギター要素をカットしたのは今年5月に放送された吸血鬼エリートとネタが被ることを防ぐためでもあったのだろう。そのため、子供をおびき出す道具がギターからサンタクロースの扮装になったというのは良いアレンジだと思う一方、今までの夜叉と比べるとギターを使わない分、妖怪としての能力はさほどでもないなと感じた。
アニメでは1・3・4・5期だけではなく墓場鬼太郎にも登場。墓場鬼太郎では血を吸う妖怪となっており、獲物となる人間をおびき寄せるため格安の下宿屋を経営していたが、そこを訪れたルーマニアの吸血鬼ドラキュラ四世と獲物を巡って対決するというまさかの展開になる。(サブタイトルの「鮮血」はもしかすると墓場の影響があるのかも)
1期は原作通りだが、3期と5期は人間の心の隙を狙う狡猾な性格が追加されている。3期ではスランプに陥ったギタリストに、5期では同じくスランプに陥ったバイオリニストに取り憑いた。ただ狡猾とはいっても3期よりも5期の方が替え玉を使ったり、人間を盾にして鬼太郎に攻撃させないようにしたりと手口がいやらしい。
で、個人的に一番オススメなのが4期の夜叉回。最初から最後まで夜叉が不気味で怖い。目玉おやじの茶碗ぶろとか最後のオチは割とほっこりしているけど、基本的にホラーだよ。人間態の夜叉のビジュアルと不気味なギターの調べだけでなく、魂を抜かれ白目で倒れる子供の残像が映る演出にギョッとなり、夜叉の断末魔の叫びに「うわぁ…」となる。決して「悪い妖怪を撃退!スッキリ!」とはならない、ど~んよりとした後味の悪さが残る。でもそれが良い。
ちなみに、原作では魂を抜く髪の毛タイプの夜叉だけでなく、頭が大きく牙のある獣のような顔をした吸血タイプの夜叉(「血戦小笠原」に登場)や、妖怪の天敵であるヒ一族を駆使して日本妖怪の全滅を目論んだ女夜叉(「妖怪危機一髪」に登場)が出て来る。今後アニメで出て来るかもしれないのでここでは割愛。
「フリーホラーゲーム」的な夜叉回
©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション
今期の夜叉回を一言で表現するなら「フリーホラーゲーム」と言った感じ。去年のカミーラのハロウィン回は「クロックタワー」とか「バイオハザード」系のゲームを彷彿とさせたのだけど、今回はまな“だけ”が逃走者となったことで、戦う手段を持たない逃走者が知恵を絞って追跡者から逃れるという、フリーホラーゲームにありがちな物語になっている。ホラーの対象となる追跡者がサンタクロースというのも「いかにも」って感じだし、生気目当てで子供を狙うという動機も、追跡者そのものに物語としての奥行きや深みがなくフリーホラーゲームっぽい。
(でも最近のフリーホラーゲームは結構物語性もあるし、追跡者の背景に焦点をあてたものもあったりと充実性は高いんだよな…)
散々「フリーホラーゲームっぽい」と言ったが、実を言うと今回の話はPS版ゲーム「ゲゲゲの鬼太郎」に収録されていても違和感ないなと思っている。
実況プレイ動画でトラウマゲームとして紹介されているが、鬼太郎ではなく非力な人間を操作して情報収集をしたり、追ってくる妖怪から逃げたり、妖怪に操られた人間を部屋に閉じ込めたりと、今回の話と似たようなギミックがあるのでより既視感があった。
流石に今回の話をそのままゲーム化すると全然怖くないけど、まなが逃げていた住宅街を夕暮れ時にするだけでもグッと怖くなりそう。夕暮れを背景にして追っかけて来るサンタクロース、良いじゃないか。
さて、年内の放送はこれが最後。次回は来年1月5日スタート。登場するのは貧乏神と座敷童子。3期でも貧乏神と座敷童子が出て来た回はあったが、今回は老夫婦ではなくまなの友人が主軸になるみたいなので、原作のように「心温まる物語」って感じにはならないんだろうな~ww。