タリホーです。

趣味を中心とした話題に触れていく所存(本格ミステリ・鬼太郎 etc.)

【ゲゲゲの鬼太郎】白山坊(1~4期)を見比べる

ゲゲゲの鬼太郎歴代セレクション、第六回目は白山坊。

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5期と6期については当ブログで言及済みのため、今回は1~4期までを見比べてみよう。

tariho10281.hatenablog.com

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1期(恩返しとしての妖怪退治)

内容はほぼ原作通りだが、序盤のねずみ男が始めた無料おみくじの一件は原作で白山坊対策として花子がまいた自分と同じ生年月日の女の子の遺灰からひねり出されたアイデアだと思われる。ただこの1期は生きていた女の子を殺してその灰を利用しようとしていたのだからなかなかえげつないというか、結局その女の子はダンプカーに轢かれて死亡し、その灰を利用しているからそこが微妙に後味が悪い。この回で鬼太郎の誕生日が判明するのだが、2月30日は当然ながら人間の暦には存在しない日である。

そしてこの回では砂かけ婆が登場。実は砂かけ婆、このエピソードの前に放送していた「妖怪大戦争」で吸血鬼にやられて死んだということになっていたのだが、そこは妖怪だからなのかしれっと復活して今回は白山坊退治に協力している。ちなみに本編の通り、1期の砂かけは地面の砂を直接かけるという、何とも言えぬ戦い方をしていた。

原作では白山坊退治に利用したのはジガバチとヒメバチの二種類の蜂だったが、1期では鬼蛾という架空の蛾を使っている。とはいえ事前に準備したのではなく現地にいた蛾であり、ねずみ男が踏みつぶそうとしたのを鬼太郎が止めて助けたから、その恩返しとして白山坊に蛾の卵を植え付け退治したということになっている。

 

3期(原作通りだけど若干のモヤモヤはある)

3期も1期と同じく内容はほとんど原作通りだが、外食産業(弁当屋がヒットして大金持ちになったというのはアニメオリジナルの設定だ。

ところで、原作によると白山坊は嫁取りを名目に花子を食い殺そうとしていたことになっており、1期も花子の生き血を狙っていたという設定になっていたから鬼太郎が助けるのもまだわからなくないのだが、この3期では単に嫁取りが目的となっているため、鬼太郎たちがやったことがやり過ぎというか、人間側の都合で約束を反故にされた挙句退治されたみたいで、白山坊は何も悪くないのではないか?という意見があってもおかしくないと思う。そこで少しモヤっとした人もいたと思うし、最後に事業と財産を手放したというのも人間の勝手な偽善・贖罪に見えるような気がする。

あと今回のねずみ男、普通に火事場泥棒してたけどねずみ男って詐欺師的なワルだからああいう泥棒させるのはちょっと違うんじゃないかな。

 

4期(「コン太」を介入させた意図とは?)

4期最大の改変ポイントは白山坊の弟子となる子狐「コン太」が登場することだろう。白山坊の餌食となってしまう茜とコン太の奇妙な関係性が4期独自の味付けとして印象的だった分、バトル面は過去一で簡略化されキツネ封じの壺に封印されるという形で白山坊との決着はついた。

何故4期ではコン太を介入させたのか、自分なりに考えてみたが恐らくは3期で浮き彫りになった「人間の都合で約束が反故にされた挙句、退治される白山坊」という問題点をクリアするためではないかと思われる。この回では母親の髪飾りが魔除けになって白山坊は茜に手が出せなかった。そこで白山坊はコン太に神通力を授ける代わりに髪飾りを取ってこいと指示する。しかし結局はコン太に神通力を授ける気などさらさらなく、良いように利用していたのだから、ここで白山坊に約束を破らせることで白山坊退治に正当性を与えた。要は、白山坊は自分の都合で約束をふいにするような悪い妖怪なのだから、人間側が約束を破って鬼太郎が退治しても別に問題はないということを示すために、コン太が物語に介入したと考えたのだ。

この間の泥田坊の回や今回のコン太のように4期は人間に友好的な小妖怪をオリジナルで絡ませる回が他にもあるのだが、4期はこうして妖怪と人間との間に共存の余地を残しているのが特徴的であり、そこが評価を左右する所だ。今回のコン太の場合は、白山坊退治の正当性という面で少々利用されたフシがあるので、個人的には改変として凄く良かったと言いにくいかな。ちょっと手の内が見え見えでもう少しさり気なくやってほしかったと思う。

 

 

以上、1~4期を見比べると4期まではほぼ原作のプロットに則った内容になっており、大幅な改変へと移行したのは5期から。しかも白山坊の約束を重視するようになったのも5期からだと考えると、5期が転換期として重要な位置を占めているのは言うまでもないだろう。人の弱みにつけこんだとはいえ約束通り運を上げて人間を幸福にしたことを考えると原作や3期までのような退治はあまりにも酷い仕打ちに見えるという人がいてもおかしくはないだろうし、そこでモヤっと感じたのは作り手側もそうだったから5期・6期では白山坊の契約の方を重視したプロットになったと思う。

その点をふまえると、やはり5期が個人的にまだ納得のいく内容だったかなと思う。詳しくは上記に載せた5期の感想記事で触れているけど、本編の内容自体は大したことがないのに、本編で描かれたことの先を考えたらなかなか深いものを感じるのが5期白山坊回の巧い所だと思う。6期は悪魔ブエルをサブのゲストキャラとして扱ったことが気に入らなかったのでそれが不満として大きなマイナスポイントになった。それに白山坊も鬼太郎に協力するみたいなこと言っといて結局あれ以降出てこなかったからね。