去年は軽トラを横転させた馬鹿が出たけど今年はどうなるのだろうね、渋谷ハロウィン。まぁ、飲酒規制とか警官増員といった対策はたてられたみたいなので、そんなに酷くはならないと思いたいが…。
こうもり猫
79話ゲスト妖怪「こうもり猫」
— タリホー@ホンミス島 (@sshorii10281) 2019年10月27日
原作「妖怪大統領」に登場するアメリカの妖怪。アメリカの妖怪大統領戦にやぶれて日本に亡命、サイの河原の葬頭河婆に泣きついて日本の妖怪大統領になろうとした。妖怪催眠術や魔法の吸血象といった術を使うが、さほど強くはない。#ゲゲゲの鬼太郎 pic.twitter.com/SYpKky6RUe
世間一般ではアニメ版「悪魔くん」の方のこうもり猫が有名だろうが、私は未見なので詳しく語れない(ねずみ男的な立ち位置だとは聞いたが)。なので、鬼太郎に登場するこうもり猫についてここでは言及する。
先週の記事の文末でちょっと言ったが、こうもり猫はポンコツキャラ。どういう所がポンコツかと言うと、以下の通り。
①日本で「大統領」になろうとしている。(←日本なら総理大臣でしょ)
②葬頭河婆に泣きついている。(←他力本願)
③人間が発見した「老化を促進する煙の入った箱(玉手箱)」を利用している(←もはや自分の力ではない)
日本でトップに立とうとしているのに、他者から知恵を借りたり人間の発見したモノを利用している。ハイ、ポンコツ確定です。
アニメには1・3・4期に登場しており、原作展開に則っているのは1・3期。ただ、3期では特別強い相手ではないにもかかわらず、サイの河原の空間の時間を巻き戻すという大それた事態に発展している。
4期のこうもり猫は当時4週にわたって放送された「妖怪王ぬらりひょん編」に登場する西洋妖怪四天王の一体。バックベアードに命を預けているため不死身であり、吸血妖怪のウーストレルやポルターガイストを使役して鬼太郎から妖気を奪った。これまでのシリーズで最も強いこうもり猫と言えるだろう。
恐ろしい偶然
— タリホー@ホンミス島 (@sshorii10281) 2019年10月27日
今期のこうもり猫は原作のポンコツキャラをベースに、4期の設定を一部参考にして生まれたという感じ。それは「バックベアード・ジュニア」を騙ったり、鬼太郎の攻撃が効かない辺りから推測される。
ただ、今期のこうもり猫は妖怪としては格下。生まれながらに身分の高いカミーラやラ・セーヌ、身体能力に優れたヴォルフガング、頭脳もさることながら破壊的な力を持つフランケンとは違い、何ら取り柄も能力もない妖怪なのだ。
原作では催眠術や吸血象を召喚出来る能力があるのでまだ良いが、今期はもぎ取った看板を振り回して攻撃する程度の力しか無いのでポンコツ具合に拍車がかかっている。
口が大きいしか誉められてないww。#ゲゲゲの鬼太郎
— タリホー@ホンミス島 (@sshorii10281) 2019年10月27日
両親にも「口が大きい」という以外に褒められたり評価された覚えが無いのだからね…。
献血とはまたある意味タイムリーというか何というか。#ゲゲゲの鬼太郎
— タリホー@ホンミス島 (@sshorii10281) 2019年10月27日
さて、今回こうもり猫は葬頭河婆ではなくねずみ男に泣きついた。金貨目当てのねずみ男は(当然ながら)真剣に生き血回収に協力する訳もなく、こうもり猫を騙して金貨をせしめる。
本筋とはあまり関係ないが、献血と言えば、献血ポスターのイラストが炎上したことは知っているだろうか。
Twitter 上で論争になったのは10月半ば頃のこと。当然この時期には脚本が出来ているから、今回の献血ネタは偶然の産物であり、脚本の伊達さんも予想していなかったものだろう。
ガス抜きと集団発狂のハロウィン
ハロウィンを題材にした話は去年もあったが、去年は「商業主義の産物!単なるコスプレ大会!カップル(ナンパ)はうざいし、道も混む!」という現在の日本のハロウィン事情をざっと皮肉った程度で、バトルの方がメインだったと思う。そのため私の感想もあまり突っ込んだモノではなかった。
しかし今回はこうもり猫の行いが人間のハロウィンイベントに大きく関わっているので、日本のハロウィン(厳密には渋谷のハロウィンだが)を読み解く必要がある。
別にハロウィンに限ったことではないが、イベントというものには日ごろの鬱憤を晴らす効果がある。昔はそういった祭礼や年中行事を「ハレの日」として呼んでいたが、普段しない恰好をしたり、普段食べないものを食べるという点でハロウィンやクリスマスは日本に持ち込まれたハレの日だと言って良いだろう。
日本に古くからあったハレの日は季節ごとの行事も含まれるので、五穀豊穣を感謝するといった意味もあるが、ハロウィンやクリスマスは外来の文化のため、本来の目的で行う日本人はいないし、結果「ガス抜きとしてのハレの日」になったのも当然と言えば当然なのだ。
ただ、「ガス抜きとしてのハレの日」には集団発狂を抑制させるモノが存在しないのが厄介な所。日本の祭りの場合は神様への祈り・感謝があるため、行き過ぎた行為は神への冒涜となる。つまり神が発狂を抑制させているのだ。勿論異論・例外は挙げれば出て来るだろうが、総合的に見れば合っていると思う。
しかし、ハロウィンやクリスマスには抑制するものがない。クリスマスは無数の集団で行うことがあまりない(屋内活動が中心)ので集団発狂まで至らないが、ハロウィンの場合は無数の人間が仮装で屋外へ繰り出すため、集団発狂に至りやすいのだろう。仮装によって顔が見えない状態なのもそれに一役買っているのかもしれない。
去年の軽トラ横転事件も酒とその場の異様な狂気に煽られた人間が行った暴挙だ。劇中でねずみ男は「ハロウィンは屁のようなもの」と言っていたがこれは言いえて妙なのだ。単独の屁ならまだしも、集団が一斉に屁をこいたら頭がクラクラする。そりゃ頭のネジも吹っ飛ぶわ。
酒と周りの煽りに押されて普段なら痛い攻撃も何のそのなこうもり猫だったが、朝日と共に状況は一変、街にいた人々は三々五々帰っていき、狂乱は風の如く去って行った。平日で仕事があるから描写としては当然なのだけど、この場面は今期における「妖怪よりも妖怪じみた人間」の一面を描いている様に思える。朝日は妖怪や魔物が嫌うモノだからね。
そして、煽りに乗じていた人間は正気に戻り、暴れた張本人のこうもり猫が報いを受ける。これも軽トラ横転事件の犯人と同じく…ですな。それにしても、煽る民衆とその犠牲となる人物の関係が、何だか祭礼における生贄を捧げる者と生贄の関係に似ている気がするのは私の考えすぎかな?(捧げる対象が明確でないから自信をもって言えない…)
カミーラの暗躍
「妖怪王に、俺はなる!」という後番組ネタや、少林サッカーさながらに衣服が吹き飛ばされるねずみ男など、ギャグ描写があったこうもり猫騒動の裏では、カミーラが人間の生き血を着実に回収していた。図らずもこうもり猫が陽動として上手く機能していたのだ。
バックベアード復活まであと少し。ということはぬらりひょんも入れて三つ巴の戦いになるか、或いはぬらりひょんと西洋妖怪が同盟を組んで鬼太郎たちを苦しめるという展開が予想される。
まぁどの展開に転んでも面白いことに違いはないが、バックベアードの人間態だけはやめてもらいたい。あれは悪い意味で鬼太郎らしくなかったので。
来週は27時間テレビのためお休み。その次の週は陰摩羅鬼が登場する。
鬼太郎アニメお馴染みの陰摩羅鬼だから、鬼太郎が使う定番のあの術もやってもらいたい。魔猫と猫仙人の回では遂にやらずじまいだったからね。