私の人生初ハニワは、「どうぶつの森+」で自宅の前でクネクネ動いていたあのハニワ。
寝肥り
寝肥りは妖怪というよりも、奇病の一種だとされている。普段は美人だが、寝ると身体が部屋いっぱいに膨れ上がり、大いびきをかくため、大抵の男は愛想を尽かして逃げ出すと言われている。そこから派生して、女性が矢鱈に寝ることを戒めた妖怪だとされているが、今となっては「男尊女卑」的な価値観だよな。別に男でも美醜を問わず寝るとみっともない人とかいくらでもいるしね。
アニメでは5期で登場。今期は生まれながらの妖怪なのに対して、5期寝太りの設定は伝承通り奇病として描かれている。
埴輪武者
94話ゲスト妖怪「埴輪武者」
— タリホー@ホンミス島 (@sshorii10281) 2020年2月23日
原作「決戦!箱根城!!(前/後)」(『鬼太郎国盗り物語』)に登場。かつて幽霊族によって封印された凶王が、自らの超音波によって操っていた埴輪の軍団。封印を解かれた凶王はムー帝国と手を組み、埴輪武者を操って妖怪を滅ぼそうとした。#ゲゲゲの鬼太郎 pic.twitter.com/0agu1GcEfP
今回鬼太郎を襲った埴輪武者の元ネタは『鬼太郎国盗り物語』の「決戦!箱根城!!(前/後)」だと思われる。原作の埴輪武者は、かつて鬼太郎の先祖にあたる幽霊族によって封印された凶王が操る軍団として登場。ただ、今回のアニメでは富士山の地底洞窟の守護者であり、その地底エネルギーで動くという設定になっている。鬼太郎に襲い掛かったのは、朱の盆が御神体を破壊したことによって、侵入者を見境なく殺す者に成り下がったからだが、当然ぬらりひょんの目的は鬼太郎の退治ではない。その目的については後程触れる。
ちなみに、埴輪武者ではないが3期の大百足の回で今期の埴輪武者と同じデザインの鎧武者を大百足が操り、キジムナーを苦しめていた。
最後の骨休め
©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション
鬼太郎6期も今回を含めると残り4話。クライマックスに向けて西洋妖怪とかぬらりひょんとか収拾つくんかいなとヒヤヒヤしていたが、今回は最終戦前の鬼太郎メンバー最後の骨休みになったと同時に、最終戦の始まりとも言える前哨戦(埴輪武者との戦い)が描かれた起承転結の「転」にあたる回だったと言えるだろう。
今でこそ旅行は娯楽として楽しまれているが、昔の旅は文字通り命がけで、移動手段は徒歩、日暮れ前に宿場に辿り着かないといけないし、通行手形がないと関所を通れない。こんな具合に危険や困難を伴った、非日常の体験が旅にはある。だから、鬼太郎メンバーとまなが物語終盤で旅行をしたということ自体、彼らがこれから非日常の世界=最終戦に巻き込まれていくことを暗示しており、脚本を担当した金月龍之介氏もそういう意図で前哨戦にあたるこの回を旅行回にしたのではないかと考えている。
そういや西洋妖怪編の時と同様、今回もねずみ男は旅行に参加しなかった(ただし、今回は闇金に追われてたという理由)が、ねずみ男を旅行に参加させないのは彼を非日常の外、つまりこれから起きる最終戦の渦中の外に置くことが脚本としての目的であり、渦の中で総倒れしてしまう鬼太郎メンバーを助ける役目を今度も果たすのではないかと思っている。これまでも西洋妖怪編でバックベアードの催眠にかかった鬼太郎の仲間を救ったり、名無しによって絶望状態の鬼太郎に喝を入れたりしてきたのだから、今度の最終戦でも鬼太郎メンバーの窮地を救ってくれると期待している。(っていうか、基本的に原作でもねずみ男は戦局を左右するキーパーソンだからね)
『鬼太郎国盗り物語』との関連性
今回の脚本はアニメオリジナル。しかし、埴輪武者が出て来たことや、劇中で描かれた諸々の事象は『鬼太郎国盗り物語』の「決戦!箱根城!!」とリンクしている部分がある。
『鬼太郎国盗り物語』は、地下帝国ムーの地上侵略を鬼太郎たちが阻止する物語で、「決戦!箱根城!!」ではムーの手下が凶王の封印を解き、凶王と同盟を組む。この事態を見て鬼太郎は、かつて敵だったぬらりひょんと同盟を組み、凶王が操る埴輪武者軍団と戦う…というのが大まかな流れ。
原作では同盟の後に埴輪武者が動き出す展開だが、今回のアニメはその逆で、埴輪武者が動き出した後にぬらりひょんと西洋妖怪の間で同盟が結ばれることになった。
また、原作では凶王を倒し地下帝国ムーとの繋がりを絶つ道具として、幽霊族が作り出した「火炎土器の白い炎」が重要アイテムになるのだが、この火炎土器のデザインが今回地底エネルギーを吸収するアイテムとして出て来た土器と全く同じなのだ!
©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション
原作ではこの白い炎が凶王を焼き払い、地下帝国ムーと凶王の同盟を絶つ道具になったが、今回のアニメではバックベアード復活のエネルギーとなり、ぬらりひょんと西洋妖怪が同盟を結ぶための切っ掛けとなる道具として利用された。これも上述した展開と真逆の扱いになっているのが興味深い。
二つの旅
©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション
朱の盆、あのヴォルフガングを押さえるのか。すげぇな。#ゲゲゲの鬼太郎
— タリホー@ホンミス島 (@sshorii10281) 2020年2月23日
それにしても、今期の朱の盆の戦闘能力の高さはこれまでと全然違って驚いたわ。ダイダラボッチの時でも凄いと思ったけど、西洋妖怪編の始まりで鬼太郎たちをボッコボコにしていたヴォルフガングを押さえつけているのだから只者じゃねーよ…。
鬼太郎たちは西洋妖怪編の終盤で何とか互角にやりあえていたけど、初対面時は手も足も出なかった。それに対して朱の盆は初対面で互角に亘り合っているのだから、もうこれで朱の盆は強キャラ確定だよ、うん。
しかし、ぬらりひょんとベアードが同盟を組むと、必然的に4期の妖怪王ぬらりひょん編の展開を思い出すな。#ゲゲゲの鬼太郎
— タリホー@ホンミス島 (@sshorii10281) 2020年2月23日
4期の時はぬらりひょんが主でバックベアードが従の関係だったが、今期もへりくだった態度をとっているとはいえ、妖怪復権の手駒として西洋妖怪を利用する気だと思っている。参謀格のカミーラがいるとはいえ、やはり西洋妖怪の強みは圧倒的パワーな訳だから、ハナから彼らの頭脳を求めているとは思えないし、そうでなくては最終章のボスとして相応しくないからね。
あ、そういや劇中で「何のために東南アジアまで出向いたのよ」とカミーラが言っていたが、吸血鬼ピーを日本に上陸させたのはやはりカミーラの差し金だったのだろうか?
となると、ピーが下僕となる吸血鬼を増やして世界征服したのは西洋妖怪の計画の一端だったのだろうか?それとも利用するつもりが返り討ちに遭って結果的にピーのクーデターが成就してしまったと考えるべきか?
個人的な意見だが、バックベアード復活前にカミーラ含む西洋妖怪が吸血鬼を増やすなどという独断的な計画を実行に移すとは思えない(計画実行の優先順位的にもおかしいしね)から、やはり先週の世紀末的な展開はピーとモンローが主導と考えるべきだろう。
旅は非日常への入り口である。前回のピーとモンローの日本上陸も一種の「旅」と言えるし、彼らの「旅」が切っ掛けで世界吸血鬼化という非日常が生み出されそうになった。
そして今回は二つの旅が描かれた。一つは鬼太郎たちの温泉旅行、もう一つはぬらりひょんの洋行。片方は非日常に巻き込まれる旅となり、もう片方は非日常を生み出すための旅となった。この二つの旅の行先はもうしばらく先の3月15日までお預けとなる。
蛇足
・地底エネルギーの入った土器が奪われ寝肥りがその犠牲になったが、これは本来禁止されていた「人間を泊める」という非日常的行為の結果ではないかと思う。非日常的行為は災難に陥りやすいからね…。
・砂かけ婆の「埴輪がはにゃっと暴れる」という駄洒落なのかどうかよくわからぬ一言。実は中の人である田中真弓さんが過去に「おーい!はに丸」で演じたはに丸の口癖らしい。
いや分かるかっ!私が生まれる前の教育番組ネタだぞ!
ここにきて2週間お休みとは何の拷問だっ!!#ゲゲゲの鬼太郎
— タリホー@ホンミス島 (@sshorii10281) 2020年2月23日
私がスポーツ嫌いなのは、単純に運動が苦手なこともあるが、スポーツ番組の生放送によって好きな番組が潰れることも関係しているとこの頃思うようになってきた。っていうか同じマラソン中継を流すのなら原作「妖怪マラソン」をアニメ化してよ~…。