今回は久しぶりに蒼馬・大翔の兄弟と裕太が登場。名無しの最終章以来じゃないかな?
ぶるぶる
60話ゲスト妖怪「ぶるぶる」
— タリホー (@sshorii10281) 2019年6月16日
原作「峠の妖怪」に登場。人の背中にとりついて背筋を震わせる無色透明の妖怪。旧家の土蔵で絵に封じられていたが、事情を知らぬ家の者が燃やしてしまい、再び甦った。ぶるぶるが体のなかに入るとその者の体温は下がり、しまいには凍死してしまう。#ゲゲゲの鬼太郎 pic.twitter.com/qx9tdaDIVv
漢字では「震々」と書くこの妖怪、鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』に描かれており、恐怖を感じたときゾッとするのは、この妖怪が襟元に取り憑くからだと解説されている。
アニメでは1・3・4期に登場。1・3期は原作準拠の内容だが、4期はオリジナル展開。4期のぶるぶるは暗い所に住み着き、臆病者にしか姿が見えず、人間の恐怖心を食べて生きている。
ぶるぶるは愉快犯?
鬼太郎作品で悪さをはたらく妖怪たちは「糧となる魂を得るため」「横暴な人間に復讐するため」「己が理想とする世界を作り上げるため」「趣味のため」等々、往々にしてその行いをする確固たる動機がある。
しかし、今回登場したぶるぶるはイマイチ動機がよくわからない妖怪なのだ。4期のぶるぶるは除くとして、原作と1・3・6期のぶるぶるは人に取り憑きゾッとさせるだけでなく、交通事故を引き起こしたり、穴の中へさらったりする。でもそれをやってぶるぶるが何かの利益を受けた訳ではない。事故を起こして人を死なせてはいるが、その魂を糧にしてはいないし、穴の中にさらったからといってその人たちをどうこうした訳でもない。
だからこれは利益目的の犯行というよりは愉快犯に近い犯行なのかもしれない。勿論、人間の恐怖心を糧とするためもあるのだろうが、それだけなら伝承通りゾッとさせるだけで良いではないだろうか。
この目的があるようで無いような感じが実に妖怪らしくて好きなんだよ。
テーマは「恐怖を乗り越える強さ」
今回の舞台は湖のあるキャンプ場。まなとまなの父、蒼馬・大翔の兄弟、裕太たちがキャンプを楽しむなか、ぶるぶるが封じられていた巻物が燃やされてしまい、ぶるぶるが復活。一人また一人とぶるぶるにさらわれ、裕太一人が残ってしまう。というのが前半部の流れ。
何というか、ぶるぶるを殺人鬼ジェイソンに置き換えてもいけるシチュエーションだな。「13日の金曜日」も湖畔のキャンプ場が舞台だったしね。
それはさておき、今回は恐怖心を煽る妖怪が登場したため、テーマもシンプルに「恐怖を乗り越える強さ」を軸にしている。
日頃から蒼馬・大翔の兄弟にからかわれ、自分自身も弱い所があると自覚している裕太。いつも自分を庇ってくれているまなが妖怪にさらわれても何も出来なかった裕太は鬼太郎に「どうすれば強くなれるか」と問う。
この問いに対する目玉おやじの答えは「誰かを守りたいという思いが人を強くする」。いや~、シンプルかつ的確で良いじゃないの。
と・こ・ろ・で…
今回の脚本は、たくろう火・さら小僧・万年竹・化け草履回を担当した伊達さん。これまでの回の感想記事では言及してなかったが、今回も含めてちょっと物申したいと感じることがあり、以下の様なツイートをした。
こういっちゃ何だけど伊達さんの脚本はグッドにしろバッドにしろ一味足りない感があるんだよな。総合的には視聴に耐えうるのだけどディテールに甘さがあるというか。
— タリホー (@sshorii10281) 2019年6月16日
これまでの担当回を見ていると、一つ一つの話にしっかりとメッセージ性があり総合的には何ら問題が無いのだが、細かい所を見るとどうも引っ掛かってしまう部分が多々ある。技量の問題なのか、あくまで視聴者の想像に委ねたからそうなったのかはわからないが、個人的にはもうちょっとどうにかならなかったのかな…という展開がこれまでの担当回にはあった。
今回の場合は「ぶるぶるが復活した経緯」にある。
な・ぜ・か、キャンプ場の薪置き場に妖怪を封印した巻物があり、
な・ぜ・か、薪を取りに行った蒼馬がついでにそれを持って帰り、
あろうことか、巻物の絵を見た大翔がポイと火に入れて焼いてしまうのだ!
あの…薪置き場に巻物があった件に関してはどうとでも想像がつくよ?キャンプ場の管理人が所有していて後で処分しようとそこに置いていた可能性もあるだろうし。
でも蒼馬よ、「巻物を持って帰ろう」ってなるか?
誰のものかわからないし、そもそも持って帰ってどうするつもりだったのだろうか?心理的に不自然な動きだった。
そんで大翔よ、誰のものかわからない巻物をいきなり火にポイはないだろ!?
百歩譲ってその辺に捨てるはあっても「燃やす」って!所有者出てきて「弁償しろ」って言われたら取返しがつかないのだぞ絵は!倫理観が無いのかおぬしは!
…でもこれって結局、ぶるぶるを復活させるために無理くり脚本が考え出した状況ってことだよね。こういうことはあまり言いたくないけど技量不足だと思っちゃう。
蛇足
ところでねずみ男、ぶるぶるを金儲けに利用しようとしていたが、どうやって利用しようとしていたのだろう。やはりカミナリ様発電みたいに、冷房的な何かに使うとか?#ゲゲゲの鬼太郎
— タリホー (@sshorii10281) 2019年6月16日
ぶるぶるで金儲けって言ったら、冷房とか冷蔵とかそういう方面でしか活用出来ないよな。
ちなみに、原作ではねずみ男、樹に磔になっていたぶるぶるを干物か何かだと思って食べてしまいます。3期ではユメコちゃんが食べちゃいます。
あと封印について。原作では風船の中に閉じ込められそのまま大空へ飛ばされるという、「鬼太郎、それで良いのか」とちょっと突っ込みたくなるような封印で物語は終わる。最も適切な封印をしているのは3期で、山の岩肌に髪の毛針で磔にしたことで、壁画として再封印された。今回は不明のまま終わっちゃったけど、あのままゲゲゲの森に持って帰っておばばに封印してもらったのかな?
さて、来週は豆腐小僧のメイン回。しかも2話からちょこちょこ登場しているアイドルユニット電池組とコラボする模様。
電池組と言えば、この間の「かまぼこ」回で単三アイドルのアルカリユリコが電撃離婚をしたせいか、私の中では既にお騒がせアイドルの印象が強い。でも来週は単二アイドルのニッケルカナが更なるお騒がせをしてしまいそうな予感。