タリホーです。

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ドラマ「ラストマン ―全盲の捜査官―」初回で描かれたことについて

ドラマ「ラストマン ~全盲の捜査官~」初回を見た。

内容としては面白かったけど、当初私が期待していた要素であるミステリ的な部分はあまり濃くなかったので、ブログに感想をレビューしようかどうか迷った。けど、ちょっと今回は劇中で描かれたことで言いたいことが出来たので、それだけ語って文を終える。だから今回は作品批評と言うよりはある種の告発?というか自分語りをさせていただきたい。

 

(以下、ドラマのネタバレあり)

 

いきなりネタバレ全開で申し訳ないが、初回で主人公の皆実広見とバディーの護道心太朗が扱ったのは無差別連続爆破事件で、ドラマの開始30分ほどで爆破事件の主犯格である男が明らかとなるが、その男は中学時代のいじめが切っ掛けで引きこもりになり、それが犯行動機で最終的には現在警察官として駐在勤務している元いじめっ子を自分もろとも爆破しようとした。

 

勿論これはフィクションの物語なので現実社会で過去にいじめられていた人間が爆弾魔になって相手に復讐するとかそれはないと思いたいが、ここで私が言いたいのはいじめっ子が警察官になるというのは実際にある話なのだ。

ここからは私自身の経験というか小学一年生の時の話になる。当時の私はマンション暮らしで朝の通学はマンションに住んでいる児童がグループとなって集団登校するのだけど、私より二つ年上のA君(つまり当時は三年生かな)がその問題のいじめっ子であり、後に警察官として地元の警察署に勤務することになるんだよね。

 

あ、一応言っておくといじめって言っても別に殴られたとか服をズタズタにされたとかそんなテレビで報道されるような酷いものじゃないよ?

集団登校は一列で並んで登校するのだけど、先頭が六年生の班長でその後ろに各学年の子が並ぶという形式だった。で、私の後ろにA君がいつも並ぶのだけど、いちいち後ろから私の靴のかかとを踏んできた。後日親を通して担任の先生に話をつけてもらい何でかかとを踏むのか尋ねたらA君は「歩くのが遅いから」という理由で踏んづけたとのこと。年上なのだからそれくらい距離をあけて歩くとか出来るだろって今なら突っ込んだけど当時小学一年生の自分にそう言い返すだけの度胸も、それを思いつくアタマもなかったので結局先生がA君に注意した程度で終わった記憶がある。

 

これはまだ優しい方で、他にもう一つ嫌な記憶として残っているのがあって、それはA君とA君の姉(ちなみにその姉は私と同じ同級生)、そして私の3人でマンションの近所にある立体駐輪場でボール遊びをしたことがあるのだけど、遊んでいたというよりは遊ばれていたと言った方が正確で、何度もボールをぶつけられたし、別れ際に凄いバカにされたようなことを言われた覚えがある。幸か不幸か何を言われたのかは思い出せないけど、バカにされたことは確かに覚えているし、その後(これが切っ掛けかどうかは定かでないが)、私の両親とA君の両親とで喧嘩があったことはハッキリ覚えている。相手の母親が「あんた、世間の何を知ってるのよ」とこちらを世間知らず扱いしてきたことに私の母が憤慨していた。

小学一年生の頃の記憶なので断片的だしハッキリと思い出せない部分の方が多いけど、そういう嫌がらせ?に近いことをされたのは確かだし、いじめとは言えないかもしれないがそういう経験をしたことは言っておきたい。

 

そのA君とは同じ中学・高校に通うことになるのだけど、私が中学の時に入部した卓球部に何とそのA君がいて、しかも部長をしていたのには驚いた。私は名前と顔を覚えていたけどA君の方では全然覚えていなくて、それは私が小学二年の頃にマンションからちょっと離れた所へ引っ越したから余計にそうなのかもしれないが、とにかくA君は私を一人の部員としか見ていなかった。

一応当時部長をしていたA君について言っておくと、まぁ模範的な部長だったよ。そこはマンションでの出来事から六年以上経ってたし、いつまでも小学生の時の精神状態だとおかしいからそれは成長したと素直に認めるけど、私自身は消化不良のまま六年経っているから内心は複雑でね、ちょっと無視しちゃった時もあったから他の先輩部員から「何だアイツ?」と思われて評判は悪かったかも。

 

そんなA君が警察官になったと知ったのは高校の時で、それは高校の進路指導室にあった冊子で、卒業生が在学中の高校生向けに自身の経験談を記したものだったのだけど、それを読んだ時「自分をいじめてた彼が警察官になるとは皮肉な話だな」と、何とも言えない気分になった。地元の警察署に配属になったらしいからもしかしたら見かけるのかな?とは思っていたが、今の所全然見かけてないし近所の交番にもいなかったから多分パトカーに乗っての仕事なのか、署内の勤務なのだろう。

 

何はともあれ、これが今回のドラマを見て思い出した過去の経験である。嫌な記憶ではあるけどだからと言って今も恨んでいるかと言うと正直そんなに恨んでいない。むしろA君以上に嫌なことをしてきたり言ってきた奴の方が圧倒的に多い。

例えば小学校低学年の頃だと体育の授業の時に私の体操服のズボンの尻のポケットに砂を入れたり、面と向かって私に「嫌われ者」と言ってきた女子生徒がいたし、一つ上の学年で下校中に後ろから「目細」と私の顔を侮辱してきた男子生徒もいた。高校だと私に「頭おかしい」って言った奴とそれを笑っていた奴もいるし、私が左利きであることをおちょくってバカにしてきた奴もいた。それだけロクでもない人々に絡まれてきた経験があるから、小学一年の時のいじめなんて些細なものとして相対的に小さなものになっていったという訳だ。

 

でもね、忘れることはないんだよ。

大なり小なりそういう記憶って澱のように心の底に溜まって消えることはないし、心を踏みにじった側は忘れても踏みにじられた側の痛みが完全に消えることはないということは何度だって言いたい。ちなみに先ほど挙げた私に対して嫌がらせ・侮辱をしてきた人々に関しては全員フルネームで憶えてるから。何なら一時そいつらをTwitterエゴサしたこともあるからね。

でも悲しいかな、そういう奴らは実生活が充実しているからか全然ツイートしないし、しても誰かと遊んだとかこれを買ったとか日記程度のことしか書いてない。だから私のような恨み言を偶然見つけることもないのだろう。それだけに一層私はこういう奴らがキチンと裁かれる死後の世界に関心を持ったのだが、もうこれ以上は話が脱線しそうなのでこれくらいで終える。

 

以上のように今回のドラマでは物語の面白さよりも個人的な記憶を想起させるという点で心に残ったが、こういう物語があるおかげで過去の怒りを昇華出来るから、やはり私は見て良かったと思うし、次回以降の展開にも注目していきたい。(感想を書く予定はないけど)