タリホーです。

趣味を中心とした話題に触れていく所存(本格ミステリ・鬼太郎 etc.)

児童虐待とトラウマ、「ミステリと言う勿れ」6話視聴

ミステリと言う勿れ(5) (フラワーコミックスα)

個人的なイチオシエピソード、「炎の天使」編が始まりました。

 

6話(炎の天使・前編)

謎の美女・ライカとの出会いから続く今回は原作5巻収録の「炎の天使」編。子供を救うため家に火を放ちその子の親を殺す「炎の天使」と呼ばれる都市伝説が横行。燃やして欲しい家の壁や塀に火の象形文字のようなマークを描けば、炎の天使が現れ子供に代わって親を家ごと焼き殺してくれるというなかなか凄まじい物語だが、物語の根底にあるのは児童虐待とそれに伴うトラウマだ。もう既に原作のエピソードを読んでいるが、現状読んだ原作(1~5巻まで)の中で最も心に突き刺さったし、(感動したという意味で)ちょっと泣きそうになった。

今回放送された前編部分は原作4巻の梅津さんのエピソードやライカに渡すプレゼントに悩む久能といった話が挿入されているから比較的キツくなかったが、次回は児童虐待とトラウマが絡む事件の真相が明かされる。人によってはかなりキツい内容(当然子供が痛めつけられる場面とかあるよ)かもしれないので、心身があまり優れない状態で視聴しないよう、一応注意しておく

これまでドラマはあまり原作のキャラビジュアルと合わせていない俳優・女優さんを起用していたが、今回の下戸陸太を演じた岡山天音さんは過去一でハマり役だと思う。この陸太という役はなかなか壮絶な過去を背負った人間だが、岡山さんなら間違いなく巧く演じてくれるだろう。

 

さて、この「炎の天使」が私にとって刺さるエピソードなのは陸太のキャラ設定というか彼が抱えるトラウマに共感する部分があるからだろう。陸太は赤いものを見ると激しい発作を起こすが、私も発作とまではいかないにせよ黄色い軽自動車を見ると気分が落ち込んでしんどくなる。というのも、前勤めていた職場にいた上司がまっ黄色の軽自動車に乗っていて、その上司が原因で私は適応障害になって仕事を辞めたから、黄色い自動車、特に軽自動車を見ると当時の嫌な記憶が思い返されてしんどくなるのだ。

あとその上司は女性なのだが、顔が俳優の古田新太さんに似ていて、そういう訳で古田さんをテレビで見ても嫌なことを思い出すようになってしまった。こういった過去のトラウマを想起させる人だったり物は案外身近にあるもので、アガサ・クリスティ『鏡は横にひび割れて』でも同様のネタを扱っている。だからトラウマを抱えて生きている人って自分が思っているより多いし、だからこそある種普遍的なテーマとして描けるのだろうと思った次第だ。

 

今回は詳しい感想は避けて次回もっと深い感想を書いていきたいが最後に一つ。陸太にあっさり騙され人気のない倉庫に連れられてしまった久能だが、フォロワーさんが「久能(あっさり騙されて)頭悪い」みたいに言っていたのを見て「いや久能くんはバスジャックとか爆弾魔とかライカとの深夜の逢瀬とか非日常的な事件に巻き込まれ過ぎて感覚麻痺してるねん…」と彼を弁護してあげたくなった。普通なら夜の11時にあんなとこ行かないけど、今までが異常過ぎたのよ…。

 

※劇中で病院側は虐待を受けている子がいても介入できない感じに言及されていたが、全く何もできない訳ではなく通報はできるので、一応誤解がないよう補足しておく。(2022.02.16 追記)