小学校の通学用の帽子で庇の部分に目を覆うようなアミアミが付いてたけど、あれって今でも付いてるのだろうか。
「ベールをかけた女」(「ヴェールをかけた女」)
原作は『ポアロ登場』所収の「ヴェールをかけた女」。仕事の依頼が途絶えすっかり意気消沈していたポワロの元に、さる身分の高いご婦人から依頼が来る。レディー・ミリセントと名乗るその女性はとある恐喝者に自身の結婚を破綻させてしまいかねない重要な手紙を握られてしまい、ポワロにその手紙を取り戻して欲しいというのだ。
ポワロはある手段を用いて手紙を見事奪還。それをミリセント嬢に返してめでたしめでたし…な~んてはずもなく、ポワロはこの事件の裏に隠された企みを見抜く。
原作はわずか20頁ちょっとの掌編。そのため特別凄い話ではないが、シンプルさ故か結構記憶に残っていた。
(以下、ドラマと原作のネタバレあり)
個人的注目ポイント
・トレードマークのヒゲが…
手紙奪還のため今回は珍しいことに、恐喝者ラビントン宅へ潜入。その前段階としてポワロはスイス人の錠前屋として屋敷に入り込み、ドアに細工をした。
ドラマを見たら一目瞭然だが、変装するにあたってポワロはトレードマークのヒゲをわざと崩している。ただの錠前屋なのに口ヒゲが整っているのは不自然だろうと考えたのは良かったが、外国人に偏見のあるゴッドバー夫人にはあまり通用しなかった模様で警察に通報されポワロは逮捕されてしまう。
ちなみに、原作では見事警察に捕まることなく手紙を奪還している。でも、個人的に警察に捕まったポワロのシーンは面白くて好き。
・オランダで死亡したイギリス人
原作でミリセント嬢の嘘を見抜けたのは彼女の靴が貴婦人にも関わらず古いものだったから。一方ドラマの方は靴による喝破はなく、代わりに原作でちょっと触れられたオランダで死亡したイギリス人を伏線として用いている。原作はあくまでも新聞記事の大袈裟な書き方を批判しただけの一文に過ぎなかったが、ドラマだと実はこのイギリス人こそ本物のラビントンで、恐喝をしていたラビントンはジョーイというのが本名だった、という改変が為されている。オランダで殺しておいて身分を騙っていたという訳だが、いつの間に調べてたのだポワロよ。
次週は「消えた廃坑」。これも確か掌編だったはず。