タリホーです。

趣味を中心とした話題に触れていく所存(本格ミステリ・鬼太郎 etc.)

ゲゲゲの鬼太郎(6期)第49話「名無しと真名」視聴

名無し最終決戦編、完結。

 

個人的に49話、映画の終盤に匹敵する充実度だったと思う。

 

(以下、49話のネタバレあり。未試聴の方要注意!)

 

ねずみ男の「喝」

目玉おやじが名無しに潰され、名無しの周りは虚無と化していく。広がる虚無と父親を失い絶望する鬼太郎に蹴りを入れたのはねずみ男だった。

 

いや~、何だかんだ腐れ縁でも親友だよな。原作でもノイローゼ気味の鬼太郎と筏で旅行を提案していた仲だもんな。

俗物だからこそ、揺るぎない信念を持ち、自分を見失わない。仲間がピンチの時のねずみ男はホント救世主だよ。

 

名無しの正体

先週の記事で名無しの正体について考察した。↓

tariho10281.hatenablog.com

その記事の中で「名無し=まなの先祖の水子」だと推測した。これに関しては8割方正解していたので左程意外だとは思わなかった。

予想外だったのはまなの先祖の結婚相手が鬼であったこと。

しかも、鬼の声が置鮎龍太郎さんですよ。明らかに地獄先生ぬ~べ~を意識したキャスティングですよね?左手に鬼を封じ込めた小学校教師という「鬼」繋がりで。

 

成程、だから巨大化した赤子の名無しは四つ目で角が生えた姿をしていたのか。ねずみ男と同じ人間と妖怪のハーフとして生まれるはずだった赤子が、人間と妖怪の契りという禁忌を犯した罪によって、生まれる前に親子共々殺されてしまった。

その処刑の場で流れた血から誕生した肉体の無い水子の魂が「名無し」だったという訳だ。

 

ここまで書いた内容で気づいた方もいるだろうが、名無しの誕生と鬼太郎の誕生は鏡の様な関係になっている。

誕生の地が生命の終わりを象徴とする場であり、人間と妖怪の間に生まれた子という共通項があるが、鬼太郎の場合は目玉おやじがいてくれたことで死ぬことなく道を踏み外さずここまで生きてこられたのに対し、名無しの場合は肉体を持たず、目玉おやじの様な保護者がいなかったため、人の憎しみによって悪の妖怪となってしまった。

つまり、鬼太郎も目玉おやじがいなかったら、名無しの様な妖怪になっていたかもしれない。そういう点で考えると名無しと鬼太郎はまるで相反する双子の様に思われてならない。名無しが鬼太郎を矢で殺そうとしたり、他の妖怪をけしかけて窮地へ陥らせたのは近くに器となる犬山まながいたことに加えて、鬼太郎に対する嫉妬もあったはずだ。自分と同じ部分がありながら一方は肉体があり、親や仲間の寵愛を受けて生きている。名無しにとってそれは許せない不平等だっただろう。

 

※後付けの設定になるが、原作の地獄編において(伏せ字)鬼太郎の母である岩子は人間(伏せ字ここまで)だということが明らかになる。

 

ノツゴ

(画像はあにこ便から引用→http://anicobin.ldblog.jp/archives/55097344.html

アイキャッチで紹介された妖怪「ノツゴ」。唐突すぎて何の妖怪かわからなかった方もいたのではないだろうか。

ノツゴ - Wikipedia

ノツゴは愛媛県高知県に伝わる妖怪。山道で歩行の邪魔をしたり、叫び声を上げたりする。

その正体については、堕胎や間引き、不遇な死を遂げた子供の未成仏霊が妖怪化したものだと言われている。

そう、名無しはノツゴでもあったということになるのだ。ただし、通常のノツゴと違って名無しの場合は鬼と人間の間に生まれたノツゴだから、あの様な強大な力を持つ存在になったのかもしれない。

勿論、自分の誕生を否定した人間と妖怪に対する憎悪の念や、人間のマイナスの感情が名無しという負の妖怪を生み出してしまったのだろうが、単に人間の水子だったらあれ程の力を持つことが出来たとは思えないのだ。

 

ところで、名無しが五行の呪いを駆使したり、アノニマスの様な仮面をつけていた点に関しては劇中で言及されなかったが、これは新章で説明があるのだろうか…?

まぁ、人間の憎しみに触れる中で呪術の知識を得たと考えられるし、「名無し=匿名=アノニマス」という連想であの様な仮面を付けるようになったと考えれば一応説明はつくのだが。

 

名無し最終決戦編、総評

今思えば38話以降の内容が名無しの誕生に関連したテーマの伏線になっているのが凄い所。

・人間の負の感情→38話

・妖怪の負の感情→42話

・人間と妖怪の結婚→39話

・人間と妖怪の間の憎悪→40話・43話・45話・47話・48話

当初は47話で姑獲鳥を出してきたことに若干違和感を覚えたのだが、あれも今後の展開の伏線となる妖怪だと思うと腑に落ちる。6期のシリーズ構成の大野木氏が生み出した「名無し」だからこの辺りの構成はよく考えて作ったと思う。

全体的に駆け足気味になってしまった所はあったものの、アニメの評判によってはこの49話が最終回になっていたかもしれない(終盤にゲストキャラクターの登場という最終回的な演出があった)のだから、よくぞここまでまとめ上げたと称賛したい。

(アニメDVDの4巻が収録話数未定になっていたのも、アニメの評判次第で1年で打ち切りの可能性があったことを示唆しているように思えてならない)

 

 

さぁ、来週からは地獄の四将編に突入。トップバッターはあの!?

他にも気になることが一杯ありますね。猫姉さんが猫娘になった件。予告映像の「大逆の四将」というワード。石動零という青年。

 

うむ、4月も新たな楽しみがあって良きかな良きかな。