【7話あらすじ】
— 【公式】富豪刑事 Balance:UNLIMITED (@fugoukeiji_bul) 2020年8月26日
19年前の捜査一課。若かりし頃の長さんと武井は大助の母・小百合が殺害された事件を捜査していた。
神戸邸に乗り込む長さん、そして捜査線上に浮かぶ神戸家の当主・茂丸の存在。(続く)
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長さん、それ種やない、チョコレートなんや(とか言ってスイカバー食べたことないんだよ私)。
check-7「金は諸悪の根源」
今回のサブタイトルは英語のことわざ「Money is the root of all evil」を訳したもの。同じ意味で「The love of money is the root of all evil(金銭欲は諸悪の根源)」と言う場合もあるが、悪の根源を人ではなく金に求める辺り、性善説寄りなことわざと言えよう。ただ、金と金銭欲ではニュアンスが若干異なり、金銭欲の方は「欲」という人の心を諸悪の根源に置いているため、後者は性悪説的だというのが私なりの意見。
さて、放送休止時に「何故大助は富豪なのに刑事をしているのか」という疑問をガン無視して話を進めていることについて上の記事で触れたが、今回ようやく大助が刑事である背景が語られることとなった。
原作では大助の性格や祖父である喜久衛門の贖罪精神から読者が「多分こうだろう」というレベルで大助が刑事になった背景を推測するしかない。というか、「金の力で事件を解決する刑事がいたら面白いだろう」というアイデア重視のキャラなので、そもそも刑事である必然性を考えること自体ナンセンスなのだが…。
ドラマ版はこの辺りどう処理しているのか、あいにく未見なのでよくわからないが、今回のアニメ版では19年前の未解決事件を大助が刑事になる動機付けとして設定。また捜査一課ではなく現対本部へ配属を希望した理由もここで明らかとなった。
「神戸小百合殺害事件」概要
19年前、捜査一課長の武井がまだ駆け出しの刑事であり、仲本や清水がバリバリの刑事だった頃の話。
〈事件の経緯〉
・マンションの一室で女性の刺殺体が発見される。被害者は神戸小百合(34)で、大助の母。当時の大助は8歳。部屋は家探しされた痕跡あり。
・大助の父であり神戸家当主・茂丸はアドリウムという化学物質の研究をしていた。
・事件前、小百合と茂丸は別居状態で、小百合はマンション(殺害現場)を借りていた。
・仲本が押収した小百合のアルバムの写真裏にコインロッカーの鍵が貼り付けられており、タグにはアドリウムのマークが書かれていた。→犯人の目的はこれか?
・茂丸の転落死体が崖下から発見される。遺書があり自殺と断定される。→「歯の治療の痕が一致」=死体の損傷が激しかった可能性あり。→偽装された自殺か?
・仲本の引き出しに入っていたコインロッカーの鍵が消える。
欲は悪でない(かも)
今回の物語はほとんど過去回想が占めているため、特別言わねばならないこととかも無いかな~と思っているが、一応公式HPの各話解説を元にして「欲」に関することを少し。
終盤で武井が過去の事件のもみ消しの一端を担っていたことが明らかとなり、その指示者が今は亡き斉木刑事部長(武井の義理の父)であったことも判明する。これで武井が前回大助の違法捜査を摘発しようとしたことも妨害工作が目的だとわかったが、これで武井が善人ぶった悪人だという訳ではない。
公式解説によれば、より多くの正義を為すため(劇中でも描かれたように)刑事部長の娘と結婚したり19年前の事件の不正に加担している。これだけ見れば権力に迎合する人間という悪いイメージしかないのだが、一方で元部下である加藤を労う声かけをしたり(3話)、昔気質の仲本を思ってスイカバーをチョイスしたりと、人を思う心がけの出来る人間でもある。武井の性格が根っからの悪ではないことは明らかだ。
仲本も言ったように、昇進するための欲やそのための政略的結婚は悪いことではない。ただ、不正を正当化させるための得(≒悪徳)はいけないということだ。不正の言い訳に欲や野望が持ち出されると本来の目的からズレてくる、というのが仲本の考えなのだろう。事実、仲本は今回と前回において違法捜査をしているが、その行為に得はない。強いて言えば刑事の務めを果たすというエゴからくるものだが、その不正によって直接的な利益は何も生じない。あくまで自己満足の範疇なのだ(その自己満足で振り回される側からしてみればたまったものではないが…)。
武井が欲によって不正を為し、その指示者も欲によって不正に傾いていた、ということになれば、これはサブタイトル通り「悪いのは人そのものではなく金という物質的なもの」という答えになるのだろうが、どっちにしろ黒幕となる人間がいることは間違いないので今後の展開に期待しよう。