タリホーです。

趣味を中心とした話題に触れていく所存(本格ミステリ・鬼太郎 etc.)

前時代的な事件、「IP~サイバー捜査班」2話視聴(ネタバレあり)

今回は諸事情でリアタイ視聴出来なかったが、正直リアタイしなくても大丈夫な内容でした(詳しくは後述)。

 

第2話あらすじ

 京都府警サイバー総合事犯係に、会社社長・土屋謙信(ぼんちおさむ)が乗り込んできた。土屋は、京都で一番の人気芸妓と2ショットで撮影したニヤケ顔の自撮り写真が、なぜかSNS上に出回っていると大騒ぎ。拡散した人物を見つけて逮捕してくれと訴える。

 明らかに同意の上で撮った写真であり、犯罪として成立しない可能性が高いにもかかわらず、主任・安洛一誠(佐々木蔵之介古宮山絆(福原遥多和田昭平(間宮祥太朗に事件を調べるよう命じる。実は先日、安洛は絆から「自分の父親ではないか」という疑惑を突きつけられて動揺。できるだけ、絆を目の前から遠ざけたかったのだ…。

 さっそく多和田とともに置屋を訪ね、写真の相手である芸妓”舞菊”こと奥村麻衣(川島海荷から事情を聴いた絆。麻衣によると、問題の写真は土屋が自分のスマホで撮影したもので、その場でメッセージアプリを介して麻衣のスマホに転送されてきたが、麻衣自身はSNS上に公開するなどの行為は一切していないと話す。それを聞いた多和田は、麻衣のスマホ不正アクセスがなかったか調べたいと申し出るが、置屋の女将・宮原涼花(国生さゆりから、座敷の中の出来事を外部に持ち出すのは花街のご法度だと突っぱねられてしまう。

 そんな中、安洛が写真を流出させた人物を特定した。安洛がたどり着いたのは、カメラマンの寺西高広(西村匡生)。絆と多和田がさっそく寺西の自宅を訪ねたところ――なんと彼は何者かに刺殺されていた!

 寺西の部屋に残されたパソコンを調べた安洛は、彼が麻衣の”ネットストーカー”だったことを突き止める。絆と多和田は改めて麻衣に話を聞こうとするが、涼花に門前払いされてしまう。2人は仕方なく、芸妓たちの身の回りを世話する”男衆(おとこし)”田沼徳夫(飯田基祐)に麻衣の場所を聞くが…⁉事件の背後にある、京都祇園の花街に渦巻く女たちの憎悪とは…そしてその先にある切なくも美しい真実とは⁉

(あらすじは公式サイトより引用)

2話は京都を舞台にしたこともあり、ベタに祇園の芸妓が絡む事件が扱われた。これは「科捜研の女」など京都を舞台にしたミステリは避けては通れない事案で、山村美紗サスペンスなど手垢の付くレベルで芸妓と殺人を絡めた作品は数多く存在する。

で、今回は安洛と絆の親子関係疑惑の下りから始まり、一旦は保留された形で事件捜査が進むものの、結局のところ今回の話は親子関係がテーマとなっており、上で引用したあらすじの「京都祇園の花街に渦巻く女たちの憎悪」は皆無であったと言って良い。多少誇張した形であらすじが書かれるとはいえ、ここまで嘘八百を書くとは思わなんだ。

 

雑感

・前時代的な事件と動機

サイバー捜査という最新鋭な要素を入れたとはいえ、今回の事件は始まりから前時代的な部分が多い。

発端となった「お座敷遊びの写真流出」事件だが、これが風俗ならまぁスキャンダルにならなくもないかな?と思うが、流石に祇園の芸妓と遊んだくらいで炎上するとは思わない。映画舞妓Haaaan!!!を見たことがある方ならわかると思うが、お座敷遊びは別に性的な面は一切ない(※野球拳とか一部例外はあるけど…)し、恥ずべきことなどないのに、それがスキャンダルとして取り上げられた辺り、やっぱ東京の人から見たらいまだにそういう偏見があるのだろうか…と顔をしかめてしまう(単に発端だから深く考えず書かれたのかもしれないが)。

肝心の事件についてもパソコンの遠隔操作やネットストーカーといったサイバー犯罪の要素が絡められているものの、根っことなる動機については舞菊が”ててなし児”であり、実父が過去に傷害致死実刑判決を受けていたことをネタに恐喝をはたらいた男が口封じに殺される…という真相だった。

昔ならともかく今は犯罪者の子供だからといってそれが本人の資質に関係はしないし、それが明かされた所で世間の風当たりが強くなるほど今の社会は狭量ではないと思うが、舞台が京都で芸妓というブランドがあることで事件の様式がかろうじて成立している感じがした。古都・京都だからまだ前時代的な動機を軸にした事件が描けるのだろう。

 

・ささやかな懸念

まだ初回と今回だけしか話は進んでいないのでいらぬ懸念かもしれないが、この先も人間ドラマを重視したミステリとなると、本作の特徴の一つのサイバー捜査が単なる事件関係者の過去の掘り下げをするだけの装置にしかならないのではと思っており、面白みに欠けることになるのではないかと心配している。「科捜研の女」は犯人の偽装工作や足取りを科学捜査で見破るプロセスに面白さがあるのだが、サイバー捜査となると捜査のプロセスだけでは面白くないため、ここを今後どう活かすかで評価が変わってくるだろう。

 

・歩くだけでも絵になる

事件自体が大事件でないため、間宮さんの立ち回りも抑えめな2話。でも黒いスーツでキメちゃって京都の街を歩くだけでも絵になる絵になる。先輩刑事として新人の絆を見る「目線の演技」に注目していたが、多和田は密偵としてお掃除係にいる人間なので、絆に対する目線も単に先輩刑事としての見守りだけではなくなることが予想される。

 

ところで、間宮さんの歩き姿を見て思ったことを少し。美人の姿や振る舞いを花に見立てて形容することばに「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」ってあるけど、男性でこういった形容をした言葉ってなんかないのかな?

間宮さんの場合「立てば英雄 座れば豪傑 歩く姿はトップモデル」というのが私のイメージなのだが、間宮さんのファンで他の意見(例え)がある方は是非教えていただきたい。