タリホーです。

趣味を中心とした話題に触れていく所存(本格ミステリ・鬼太郎 etc.)

ゲゲゲの鬼太郎(6期)第74話「地獄崩壊!? 玉藻前の罠」視聴

地獄の四将編、四将最後の一体現る。

 

九尾の狐

ja.wikipedia.org

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水木しげる『決定版 日本妖怪大全』によれば、まだ世の中が混沌としていた頃、立ちのぼる陰気が籠って妖狐となり、金毛九尾の狐となった。そして殷では紂王の妃である妲己となって残虐の限りをつくし、国が滅ぶと今度は天竺(インド)で華陽夫人となり国の政治を傾けた。そして日本に渡り玉藻前という女官として鳥羽上皇に取り入ったが、陰陽師の安倍泰成に正体を見破られ那須野へ落ちのびた。しかし駆けつけた軍勢に退治され、死体は殺生石という石になり周囲に毒気を放った、という伝説が残っている。

 

美女に化け時の権力者に取り入り、国を傾けるというスケールのデカい悪事で有名となった大妖怪。鬼太郎アニメでは今期が初登場。原作では鬼太郎挑戦シリーズ「太古の秘密」に登場。生憎鬼太郎挑戦シリーズは未読のため詳細は不明だが、「淫力」で男を惑わせては精液を搾り取って殺すという、男にとって何ともドギツいことをする妖怪らしい。

 

もっと早く言いましょう

今回、鬼太郎は閻魔大王に残りの四将捕縛の催促をされる。どうやら地獄のパワーバランスは四将の魂の重さによって調整されていたようであり、このままだと地獄の霊的エネルギーが現世へ流出、現世と地獄の境界が崩壊という大惨事になってしまう。

なるほど、これで51話の密約で「捕縛に失敗した場合、猫娘を地獄へ戻し鬼太郎を四将の牢獄送り」にする理由がわかった。鬼太郎の魂を代替にしてパワーバランスの調整をしようとした訳である。

でも閻魔大王そういう大事なことはもっと早く言いましょうよ…。

あと四将の魂でパワーバランスを整えていたって、地獄の設備体制としてかなり問題があるのでは?脱獄されてしまう警備体制と合わせて大問題だわ。もしかして6期の閻魔大王って見掛け倒しのポンコツなのかしら…。あの九尾の狐にアッサリ喰われてしまうしね。5期は獄炎乱舞とか駆使出来たし十三王との連携もとれていたのに。

 

石動の暴走

四将狩りに焦りを感じていたのは地獄の閻魔だけではない。石動も自分を救ってくれた師匠をはじめとする鬼道衆の人々を守れず里を焼き討ちされてしまったという負い目から悪夢にうなされ、残りの四将狩りに焦りを感じていた。そのうえ、倒した妖怪の魂を取り込み自身の能力にする呪装術にも限界の兆しが。

確か石動がこれまでに取り込んだ妖怪は、劇中に出ている限りでは、鬼神、化け火、一つ目坊、貉、鵺、吸血鬼ラ・セーヌの6体。更に今回は九尾の狐狩りの戦力補充として偽の依頼を妖怪ポストに送り、その依頼に乗り出した鬼太郎の仲間まで殺して取り込んでしまった。だから、ぬりかべ、子泣き爺、砂かけ婆も加えて(少なくとも)計9体の妖怪の魂を自身の体に取り込んだことになる。

 

それにしても鬼太郎の仲間が殺されるのって1期の「妖怪大戦争」以来じゃないだろうか。1期ではまだレギュラーメンバーとして登場してなかったからまだしも、今回魂となってしまったぬりかべ・子泣き・砂かけの3体はどうなってしまうのか。

恐らく九尾撃破後に閻魔大王の計らいで猫娘みたいに若くなって戻ってくるだろうと予想するが、ぬりかべは5期の子ぬりかべみたいな感じになるかな~とイメージ出来るものの、子泣き・砂かけは想像がつかない。というよりあまり想像したくない自分がいる。

 

石動について

豆腐小僧を人質、いや妖怪質にとって鬼太郎の仲間を狩ってしまった石動。「ああ、一線を越えたな」という感じである。

 好感度下がりまくりの石動だが、一応6期スタッフのインタビュー記事を読んでいると、名無しに代わって鬼太郎と対峙するライバル的存在であり、普段の話の中ではなかなか表に出ない鬼太郎の内面(価値観)を描写するために、別の正義感を持つ人間として石動が生まれたようである。

まぁ「鬼太郎の内面を吐露させるためのキャラ」としては今の所機能しているけど、ライバルとしては素直に頷けない所があるんだよね。

素直に頷けないのは、鬼太郎が自身の能力と仲間によって妖怪と戦っている一方で石動は取り込んだ妖怪の能力で戦っている点。自分の能力で自分と同等或いはそれ以上の実力を持つ相手を倒すのならまだしも、狩った妖怪の能力で戦っているのだから良くない。しかも50話・51話で妖怪を蔑みコケにしている。これが特に良くない。コケにしている癖にそのコケにしている者を利用して戦っているのだから、そんな人間が鬼太郎と対等のライバルになれる訳がないのだ。

 

百歩譲って「里を焼かれたことが切っ掛けで妖怪全般を憎むようになったから仕方ない部分はある」と考えても、石動の行為に釣り合った動機になっていない(少なくとも視聴者に対して)のが痛い。彼にとって鬼道衆の里や師匠、サヤの存在がどれほどかけがえの無いものだったのかが描かれているならまだしも、その情報が余りにも乏しいので彼に同情したくても出来ないというのが正直な思いだ。

当初鬼太郎に言っていた「人間に仇為す妖怪を狩る」というルールにしても現段階、いや、一つ目坊の時点で破っているし、鬼童伊吹丸の一件では「自分と同じ境遇を負った妖怪」ということもあってか狩るのを見逃している。自分に課したルールを破り相手によって妥協しているため、ハードボイルドに徹するカッコよさ・ストイックさも無い。

 

だから「ザコ敵」呼ばわりされても仕方ないし、石動が脚本の意図通り視聴者に映っているかと言うと、これは失敗寄りではないかと思ってしまうのだ。どっちにせよ来週妖怪を取り込み過ぎだツケが回ってくるみたいなので、それが結果として石動の考え・価値観を変えることになるのか。注目していきたい。

 

今後の展開として気になること

①九尾の狐

分身を利用してA公国代表に日本と戦争させるようけしかけ、周辺諸国や国連の応援が得られぬよう日本を国際的に孤立状態にしてしまった玉藻前。このまま戦争が起こり大量の死者が出れば地獄にも大量の魂が来る。霊的パワーバランスが崩れた地獄を狙い、日本共々崩壊させようとしているが、退治するには地獄の霊的エネルギーの核にいる本体を核から切り離さないといけない。核にいる限り玉藻前は回復し続けるからだ。次回どうやって彼女を攻略していくのか。

 

②石動零

先述した通り、ツケが回って暴走化すると思うので、鬼太郎がどう対処するのか気になる。また、取り込んだ妖怪の魂はどうなるのか。そして事件解決後も登場するのか、四将編解決後はもう姿を現さないのか。

 

③まなが伊吹丸からもらったお札

探したいものをイメージすることで目的のものを見つけられるお札。次回の事件解決のポイントになりそうである。伊吹丸の時と同様に、サヤの魂を見つけて石動の説得に用いるというのが私の予想だが、当たるかな?

 

④四将脱獄の黒幕

10月の放送予定が解禁され、第1週目にあの妖怪が出ることが確定した。が、あの妖怪が四将脱獄の黒幕なのかどうか。(ほぼ間違いないと思うが…)

 

⑤九尾の狐の「弟」

原作では九尾の狐の弟である中国妖怪が登場するが、今期も登場するのだろうか。でも姉を出して弟を出さないなんて勿体無さ過ぎるから出すと思うんだけどね。