以前私は俳優の間宮祥太朗さんを推す切っ掛けについて書いた。
その時に書けなかったのが、彼に演じてもらいたい役についてである。
「彼ならこの役を巧く演じてくれるのに!」
「彼が演じる〇〇が見たい!」
推し俳優がいるそこのあなたなら一度はこの様なことを思ったことはないだろうか。
かく言う私も、テレビで間宮さんの演技を見ていて素敵だな、と思いながらも「この演技が出来るならこのキャラとかイケるのにな~」と歯がゆい思いをしている。
今後実現するかどうかは不明だし、テレビ関係者がこのような拙文に眼を通す訳がないことは重々承知の上、自己満足の駄文として以下に間宮さんに演じてもらいたいキャラクターを紹介していく。
ただし、以下に紹介するのは本格ミステリ小説に登場するキャラクターという、かな~り限定的な紹介なのであしからず。
亜愛一郎
ミステリに疎い人なら「誰?」となるだろうが、本格ミステリの玄人にはお馴染みの名前である。苗字が「亜(あ)」で名前が「愛一郎(あいいちろう)」。著者の泡坂妻夫のデビュー作「DL2号機事件」に登場する素人探偵で職業はカメラマン。その風貌は以下の通り。
背が高く、整った端麗な顔立ちであった。年は(中略)三十五くらいだろうか。色が白く、貴族の秀才とでもいいたかった。目は学者のように知的で、身体には詩人のようにロマンティックな風情があり、しかも口元はスポーツマンのようにきりっとしまっていた。
亜愛一郎は見た目は男前なのだが、言動行動に落ち着きがない上に運動神経というものがまるで感じられない男。今風に言えば「残念なイケメン」である。
そんな彼が活躍するシリーズは創元推理文庫から3冊出版されている。(亜のご先祖様、亜智一郎が活躍するものも含めれば4冊)
この亜愛一郎というキャラは一度映像化されたことがあるのだが、彼を演じたのが市川猿之助。見た目もさることながら内容も原作とかけ離れたものであり「何故亜愛一郎としてこれをやった…?」と困惑した程だ。
この謎の映像化を行ったのはテレビ東京だが、この一件があったが故に、かねてから私は「原作通りの設定と内容で一度連続ドラマとして放送してもらえないものか」と思っていたし、「それに相応しい俳優さんは誰かな~」と妄想をはたらかせていた。
ちなみに、私が間宮さんに亜愛一郎を演じて欲しいなと思ったのは、以前この写真集がテレビで紹介されていた際、この写真を見て「この見た目で間の抜けた感じにすればほぼ原作通りの亜愛一郎になるのでは!?」と思ったからで。 pic.twitter.com/Nf04mLi1oi
— タリホー (@sshorii10281) February 26, 2018
そんな時に彼を見つけたのだ。現代風にするならもっと爽やかな感じの俳優さんの方が適任かもしれないが、原作が発表されたのが1970年代なので、これ位顔の濃い方がしっくりくるのではないかと思う。
ちなみに、原作では亜が真相に関わることに気づいた時白目をむくという描写がある。
そういえば、間宮さんは「お前はまだグンマを知らない」で白目をむいていたな…。
いけるな。すぐにでも出来るなこの役を。
これだけ顔が濃いのだ。実年齢より上の役でもカバー出来るし、コメディキャラならこれまでのキャリアで培ってきたから問題なし。シリーズ終盤で明かされる「秘密」にもピッタリ合うだろう。
いや~映像化してくれないかしら。してくれたテレビ局には金一封を送りたいね!
高遠五郎
高校の頃から私は横溝正史の作品をちまちまと読んでいるが、そんな中で間宮さんに演じてもらいたいのが、この『三つ首塔』に登場する高遠五郎なる人物。
高遠五郎は本作の主人公、宮本音禰の前に現れる謎の男。その容貌は以下の通り。
それは三十前後の、背の高い、がっちりとした体格の、眼鼻立ちのかっきりとした、ひとくちにいって、男らしい男ぶりの青年だったが(中略)すさんだ印象なのである。
この男がどういう人物かは詳しく言えない。何故なら本作の主人公の人生に大きな影響を与える人物なのだから。これは読んでのお楽しみ。金田一耕助シリーズの一作だが、内容はミステリというよりはサスペンス路線でバッタバッタと人が死ぬ。過去に数度映像化されているが、演じた俳優は黒沢年男・古尾谷雅人・高川裕也。原作に近いのは黒沢年男が演じた横溝正史シリーズ版なので、気になる方は是非。
ただ、要所要所で際どいエロチックな描写があるので、現代だと映像化は難しいだろうな。BSプレミアム辺りなら頑張って映像化してくれるかしら…。
蓬莱弘明
蓬莱弘明は短編集『ミステリークロック』所収の「コロッサスの鉤爪」に登場するダイバー。本作は防犯探偵榎本シリーズの最新作にあたる。防犯探偵榎本シリーズといえば、大野智さん主演の連続ドラマ「鍵のかかった部屋」だ。全編が密室殺人事件の月9ドラマは放送当時評判にもなり、SPドラマも放送された。ファンならば続編の映像化を願うのは当然の理だ。
「コロッサスの鉤爪」で扱われる密室は、音と水圧という障壁によって密室状況と化した海上密室。溺死した被害者の周辺に人が近づいた痕跡はなく、巨大イカの不気味な影が作品を彩る。
蓬莱弘明は事件の容疑者の一人だが、その容貌は以下の通り。
身長は、180センチくらい。(中略)ダイバーとしては大柄な方だろう。Tシャツを着た上半身は、大胸筋が盛り上がり、見事に鍛え上げられている。
もじゃもじゃの髪の下には、ハーフのように彫りの深い顔があった。額は広く、眉が濃い。切れ長のきれいな目が、静かにこちらを見ている。
「ハーフのように彫りの深い顔」「眉が濃い」…。
もう、間宮さん以外に演じる人います?ハマリ役でしょ?
どういう役柄かについてはこれもまた割愛させていただく。一応事件の容疑者なので、詳しく語るとネタバレになる。ただ、イイ役であることは間違いないと言っておこう。
願わくば、映像化するなら嵐の活動休止に入る前であってほしい。が、舞台が海上であり扱うネタも専門的なのでなかなかにハードルが高い案件なのだよな。でも映像化が成功したら嵐ファンも含めて大喜び間違いなし。
御殿場倒理
これは間宮さんに演じてもらいたいという思いを抜きにしても映像化してもらいたい作品。“分業制”探偵というありそうでなかった設定、気の利いたトリック、シリーズとしての牽引力。いずれも申し分がないからだ。
御殿場倒理は本作に登場する探偵二人組の一人。密室殺人・容疑者全員にアリバイという不可能状況を専門とする探偵。相棒にしてライバルの片無氷雨はダイイングメッセージや現場に残る不自然な物証といった不可解状況を専門とする探偵。
御殿場倒理は表紙のイラストからもわかるように、悪魔のような巻き毛と黒のタートルネックが特徴的な人物。一方の片無氷雨はスーツに眼鏡姿。
間宮さんのスーツ姿は「BG」で十分見ているからいらないし、何より悪魔的風貌というのが顔の圧にマッチする。だが、こうなると相棒の方も誰が相応しいか妄想をはたらかせてしまう訳であって、そんな中私が良いなと思ったのは古川雄輝さん。
これはかつて映画「ライチ☆光クラブ」で二人が共演していたのを観た記憶があったのが影響している。映画ではがっつりラブシーンをやっていたのだから相棒役なぞ何の問題もないだろう。
ちなみに片無氷雨は原作では探偵の助手と間違われる場面が度々あるが、古川さんは実年齢より下に見られることがあるというエピソードを聞いているので、それなら実年齢より上に見られる間宮さんとより合うのではないだろうか。年下の方が助手っぽく見えるものね。
以上、具体的なキャラを挙げたが、漠然としたものならば、刑事コロンボ・古畑任三郎の様な倒叙ミステリに登場する犯人とかも演じてほしい。死刑レベルのヤバイ犯罪者は経験済みだろうが、探偵役と対決するクールな犯罪者というのはまだ演じていなかったはずだから、願わくば刑事コロンボの「魔術師の幻想」や「溶ける糸」の犯人みたいな役を演じてもらいたいな。絶対カッコいいもん。