タリホーです。

趣味を中心とした話題に触れていく所存(本格ミステリ・鬼太郎 etc.)

『エラリー・クイーンの冒険』前半部(「アフリカ旅商人の冒険」から「三人の足の悪い男の冒険」まで)感想

「アフリカ旅商人の冒険」

大学生三人と共に犯罪現場のフィールドワーク。被害者は南アフリカで原住民に対する暴行や詐欺などをはたらいていた旅商人。現場に残された証拠品から導き出された三者三様の回答の正解は…。

(ネタバレ感想)クイーンとしては比較的珍しい多重解決もの。蝶ネクタイというのは日本人にはピンとこないが、形状から考えればそれしかないよな、と思った次第。(ネタバレ感想ここまで)

 

「首吊りアクロバットの冒険」

サーカスの花形、アクロバットの女が首吊り死体で見つかる。犯行現場には凶器になりそうなものが幾つもあるのに、何故犯人はわざわざ別場所にあったロープでアクロバットの女を吊るしたのか…?

(ネタバレ感想)絞め痕を別の絞め痕で隠すというのは、以前「法医学教室の事件ファイル」で似たようなのをやっているのを観た気がする。(ネタバレ感想ここまで)

 

「一ペニー黒切手の冒険」

ある本を購入した男性が襲撃を受け、本を盗まれる。一方、男性が購入した本屋では男性が盗まれたのと同じ本の買い占めが行われ、近くの切手商が強盗に遭う。本の盗難・買い占めと切手強盗との関係は…?

(ネタバレ感想)一言で言うと「保険金詐欺」。真相よりも偽装工作の手口の方が正直面白い気がする。(ネタバレ感想ここまで)

 

「ひげのある女の冒険」

遺産相続による一族の骨肉の争いのなか、遺産相続に関係のある医師が殺害された。医師が女性の絵画に描いた「ひげ」は何を意味するのか…。

(ネタバレ感想)女装した男性というのは比較的わかりやすいダイイング・メッセージだったな。(ネタバレ感想ここまで)

 

「三人の足の悪い男の冒険」

銀行家の愛人が自室のクロゼットで死体となって発見。現場の状況から「三人の足の悪い男」が銀行家を誘拐し、愛人を殺害したように思われるが…。

(ネタバレ感想)足を傷めた状態で偽装工作を行ったせいで、誘拐団が三人とも足の悪い男になってしまったというのがユニーク。(ネタバレ感想ここまで)

 

ネタバレ感想の部分がだいぶ簡素になっているが、いずれの作品も面白かったです。前半部のイチオシはもちろん「アフリカ旅商人の冒険」。