タリホーです。

趣味を中心とした話題に触れていく所存(本格ミステリ・鬼太郎 etc.)

ナンバMG5ざっくり感想 #7(戦いは新たなフェーズへ)

生徒会長選挙というと間宮さんが帝一の國で氷室ローランドを演じていたことを思い出すが、あの時のローランドのポスターと今回の剛のポスターを比べると、ローランドがめっちゃアホの子に見えてきておかしかったよ。

 

7話感想

ナンバデッドエンド(1) (少年チャンピオン・コミックス)

今回からは「ナンバMG5」の続編「ナンバデッドエンド」に移る。「MG5」まではまだギャグ漫画的なおかしさというか、シリアスな展開もあるけど安心して見ていられる部分が多かったのだが、「デッドエンド」は剛の二重生活にとうとう破綻が訪れるということもあって、割かしシリアスめな展開が多くなってくる。

今回はその第一段階として、妹の吟子が白百合に入学したことで、彼女に二重生活がバレてしまったが、まぁこれはまだ序の口で、これから剛にもっと大きな試練が待ち受けるのだが、それはまたおいおい話していくとして7話の感想をば。

 

ドラマは早いもので生徒会長選挙の時期になり、選挙活動をしながらも他県から特服制覇にやってくる不良共をやっつけるという慌ただしい日々を剛は過ごしていた。喧嘩三昧の日々が嫌で白百合に入ったのに結局責任感から喧嘩を買わざるを得ないという皮肉な話になっているが、そこが剛の良い所だと思うし、特服の影武者を作って白百合との生活を両立させようなんて考えは、真っ当な生き方をしたい彼には到底思いつかないというか、許せない考えなのだろう。

よその学校がどうなのかわからないが、少なくとも私タリホーが通っていた高校は生徒会の選挙はあっても実に形式的というか、元々生徒会に所属していた人が繰り上がりで就任するのが定石だったので、ドラマのように候補者が5人もいるような状況ではなかったから、ここまで学内政治がしっかりしているというか、生徒が生徒会に関心を向けているってだけでも十分意識は高いなと思いながら見ていた。

 

そんな学校に新たに赴任してきた校長と生徒指導の教諭が「デッドエンド」編における新たな敵なのだが、これまでとは明らかにタイプの違う敵であり、剛の戦いも新たなフェーズに来たなという感じだ。

これまではぶっちゃけ拳でわからせる手法が通用する相手だったから良かったものの、流石に校長や学校の先生を殴る訳にはいかないし、相手もそこは頭を使って窮地に追い込むことだろうから、伍代や大丸といった少数精鋭では通用しない、もっと多くの人々を味方につけないと、この新たな戦いには勝利出来ない。そこがこの「デッドエンド」編の特色と言えるだろう。

 

多くの味方をつけないと勝利出来ないとはいったが、そこは剛の人柄というか、彼の熱意が伝播して他の生徒を動かしているのがまた凄い所で、こういう場面を見ると結局最後は自分に正直な生き方をした人が他人の運命を動かす人間になるのかもしれない、という考えに思い至る。この「自分に正直」というのは、善性だと剛みたいな存在になるし、悪性だと出世のために人を支配する今回の校長みたいな人間になってしまうので、一概に「自分に正直になれ!」とは言えないけど、一つのメッセージには間違いなくなっていたと思う。

 

※正直な所、校長の一存で学力UPのために学力テストを実施するのはあり得るとして、赤点の生徒が3割以上の部活を活動停止にするという暴挙は現実的には無理じゃないかなと思う。流石にPTAとか保護者会だってそれを聞いたら黙っているはずがないだろうし、ここはドラマだから通用する展開と考えた方が良い。

 

今回のハイライトにあたる、吟子に二重生活がバレる下りは少なからず複雑な感情を抱く場面ではあったが、吟子にとって自分の兄が軟派者として生活していたというのはショックだっただろうし、それが自分や自分の家族のことを兄は内心軽蔑していたのではないか?という疑念にもつながるから、素直に事情を尋ねられないのには自己基盤(自分や家族の生き方)を否定されるような怖さや怒りもあったのではないかと思う。

最終的には自分や弥生の危機を剛が助けてくれたことでヒビの入った関係は修復されたが、ここで特服ではなく白百合の制服で助けたというのが良いよね。あそこでもし特服で助けたら、剛の行動に偽善性というか欺瞞が垣間見えて恐らく吟子との関係は修復されなかっただろうし、白百合の時のままで駆け付けてくれたってことが本当に自分の身の危険を案じて飛んできたことをダイレクトに伝える形になっている。

 

白百合の制服のままチンピラ共を殴り倒すって、平穏な学生生活を願う剛にとっては非常にリスキーな行為だけど、だからこそ吟子に剛の誠実さが伝わった訳だし、剛が白百合に入学したのも、決して世間体を考えてとか難破一家の家風が嫌になったとかではなく、「自分のやりたいことがあったから入学したのだ」とあの瞬間吟子は腑に落ちたに違いない。ここまで具体的に吟子が思考したかはともかく、口で言われるよりもスッと理解出来たんじゃないかな?

 

吟子がチンピラにさらわれる下りは原作を読んでいないので何とも言えないが、ドラマとしてはやや取って付けた感じがする展開だったにもかかわらずちゃんと名場面になっていたし、元々大好きだった間宮さんが更に好きになるというね。

既に推しの私がこう言うのだから、初見の方なんかもっと好きになったんじゃないの?