タリホーです。

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ゲゲゲの鬼太郎(6期)第71話「唐傘の傘わずらい」視聴

昨年放送された23話「妖怪アパート秘話」からちょうど一年。今回は妖怪アパートの住人、唐傘にスポットを当てたお話。

 

唐傘(傘化け)

 原作ではカラスのヘリコプターの代わりに鬼太郎を運ぶ役目を果たしたと思えば、上記のように鬼太郎に刃向かったりと、立場がコロコロ変わる。単に複数体いるから性格や立場が異なるのかもしれないが…。『雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎』では目玉おやじが「むかしから傘化けはいるという話は聞いていたが…」と言い、鬼太郎は「お目にかかるのははじめてだ」と言っている。実は作品が発表された時系列から考えるとこのセリフは明らかにおかしい。『雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎』が連載されたのは1980年だが、1971年の週刊少年サンデー「傘化け」で既に戦っているからだ。

色々と設定がブレブレではあるが、アニメでは1~6期全てに登場している。各期によって「傘やん」「からかさ小僧」「傘化け」と微妙に呼称が異なっており、今期は「唐傘」として登場している。

傘化けがメインとして登場する回は2期24話「傘ばけ」・4期31話「妖怪変化!傘化け」・5期58話「ペット妖怪!白うねり」とそして今回の71話。5期は厳密に言うと白うねりがメインのアニメオリジナル回なのだが、5期で傘化けが最も活躍した回なのでここにカウントした。

2・4・6期の原作は週刊少年サンデーで発表された「傘化け」。2期はほぼ原作通り、4期はねずみ男が傘化けをけしかけて鬼太郎のちゃんちゃんこを盗ませる所まで原作通り、6期は唐傘がちゃんちゃんこを盗む以外はほぼオリジナルの内容。

特に4期は8月11日というお盆シーズンの放送のためか、死んだ資産家の夫(ただしこれは傘化けが化けたもの)が妻のもとへ帰ってくるアレンジが為されており、原作にはない感動要素が入っている。先日放送された「地獄流し」回同様、感動要素の無い原作を感動話に仕立てた点で優れた回なので、未見の方は是非。

 

モノの「思い入れ」を推しはかれない人々

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©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション

今期は「傘を粗末にする人間を唐傘が何とかして更生させようと悪戦苦闘する」プロット。原作や2期・4期のプロットに比べると至極シンプルではあるが、傘が使い捨てとして扱われるようになった現代ならではの話として評価出来るだろう。

「ビニール傘は安価でどこでも買える。だから大事に使えなどと言うのはおかしい。俺だけじゃなくてみんな粗末にしている」という青年の言説。人によって受け止め方は違うだろうが、個人的にはカチンとくる言説だ。(みんなやってるとか関係ねぇ、お前が粗末にしているのが駄目なんだよ)

そもそも、モノ(所有物としてのモノで販売されているモノとは違う)の価値や思い入れは人それぞれであり、値段だけで推しはかれない部分があるというのに、「安価だから」とか「どこにでもあるものだから」という理由で粗末に扱うのは、結局の所「自分は人の心も推しはかれない人間だ」と自己主張しているようなものだと思う。

以前、テレビやインターネットで「旦那のコレクションを勝手に処分する嫁」が取りざたされたと思うが、あれも他人の所有するモノの思い入れを推しはかれない人の所業だと思う。自分の価値観ではかってしまうから平気で処分出来るし、罪悪感も起こらないのだ。

今回の場合、傘なんていくらでも買い換えられるという考えがあったから青年は何度も取り違えたり置き去りにしたのだろう。所有者の思い入れとか、傘を失くして困る人のこととか考えてたら、あんなに何回もやらかさないはず。唐傘も指導の方法をもうちょっと考えるべきだったのだろうが、今期の唐傘は脳筋っぽいので仕方ない。(妖怪アパートのメンバーに相談したら良かったのにね)

 

 

さて次回は…

鬼太郎のキャラが崩壊することでお馴染みの回だが、今期の脚本は誰だろう。予告を見る限り、今期のいやみは「楽しみを奪う」より「色ボケにする」側面が強そうだが…。