ちびまる子ちゃん風に言えば、「ねずみ男、結婚詐欺にあう」の巻、といったところか。
というわけで、1週間のブランクを経た待望の24話は新編ゲゲゲの鬼太郎シリーズの作品「石妖」。
あらすじは以下の通り。
ねずみ男が結婚したという知らせにざわつく鬼太郎たち。その相手は天涯孤独の美女、石山妖子。しかし新婚初夜に妖子は祝儀袋やねずみ男が持っていた財布と共に姿を消した。ねずみ男は結婚詐欺にあったのだ。
実は、妖子の正体は石切り場で石工たちをたぶらかす妖怪「石妖」。石工が少なくなったので、山を下りて今度は独身金持ち男をたぶらかしていたのだ…。
24話ゲスト妖怪「石妖」
— タリホー@ホンミス島 (@sshorii10281) 2018年9月16日
原作「石妖」に登場。石山妖子と名乗る美女に化け、結婚詐欺を繰り返す石の精。昔は石を切り出す石工たちをたぶらかしていたが、石工が少なくなった現代では、金目当てで独身男性を狙っていたようだ。もとが石なだけに、攻撃の際は大石となり襲いかかる。#ゲゲゲの鬼太郎 pic.twitter.com/LMl0dpZsdW
原作通りの展開&小ネタに大満足
原作が発表されたのは1986年。それにもかかわらずこれまでアニメ化されなかったのはやはり、題材が結婚詐欺という部分で「子供にウケないのでは?」という意見があったからかもしれない。同年代に発表された「地獄マラソン」「ペナンガラン」「木の子」「妖犬」が3期でアニメ化された一方、このように日の目を見ない物語もあったということだ。
だから今回「石妖」がアニメ化されると知った時は流石6期!と思ったね。
で、話の展開がほぼ原作通りだという点も非常に良かった。
特に石妖を子泣き爺が捕まえた時、オババに「捕え方がスケベくさい」とビンタされる場面と、海坊主が石妖を「ペットとして飼ってみる」と発言した場面は「これぞ水木流のユーモア」と思う原作屈指の名(迷)場面なので、カットされていなくて本当に良かった。
あと林先生っぽい人や2話でねずみ男に買収されていたアイドルプロデューサーが石妖に騙されていたのも良いね。こういう小ネタ嫌いじゃない。
赦された石妖
原作ではそのまま海坊主のペットになってしまう石妖だが、今回のアニメではねずみ男の頼みで何とかペットは免れ、日常に戻ることが出来たようだ。
そして終盤、ねずみ男が質屋で結婚指輪を売る場面で石妖が現れる。原作通りなら決して描くことが出来ない描写だ。
この描写は今回の話が単に「ねずみ男が結婚詐欺にあった」というだけのイロモノ回ではないことを示しているような気がする。
「人間の男を惚れさせ欺き利用する」という宿命で生まれてしまったがゆえに、「そのように」しか人と接することのできない石妖。もしかして彼女がホンのちょっとだけ愛情の片鱗を見せることが出来たのも、ねずみ男が「人と人間の狭間」の存在だったからなのかもな。 #ゲゲゲの鬼太郎
— SOW@ (@sow_LIBRA11) 2018年9月16日
石切り場の石工をたぶらかし、その石工がいなくなると今度は山を下りて、金持ちの男をたぶらかす。物心ついた時からずっとそのような生活をしていた石妖にとって人との関わりに「たぶらかし」以上のものはなく、石妖自身もそんな行いでしか自分の存在意義を見出せなかったのかもしれない。
だから今回のねずみ男との出会いは彼女の価値観を変えるような出来事だったに違いない。そして石妖はようやく真の愛情というものに触れたのかもしれない。
だから終盤の質屋での場面はねずみ男の愛情に対するささやかな返礼…と思うのだが、どうだろうか?
さて、来週はくびれ鬼か。4期・5期と登場しているこの凶悪妖怪、今期はスマホのアプリを使って何かするみたいだな。名無しも関わっているからなかなかヤバイ事件になりそうだ。