タリホーです。中公文庫から発売されたコミックボンボン版「悪魔くん」の前半部を読み終えて後半に移る所ですが、それにしてもメフィスト2世の寝床が押し入れって扱いが完全にドラえもんで笑ったww。
9話から12話までのあらすじ
今回配信されたのは9話「夢の12使徒が全員集合!!」から12話「心のすき間を悪魔が笑う」まで。

©水木プロ・テレビ朝日・東映アニメーション
9話は日本の小学生とブラジルの小学生との間で行われたサッカーの親善試合のお話。メフィスト2世のイタズラで親善試合の日本代表選手に選ばれてしまった悪魔くんは、ブラジル側の選手にブラジルの悪魔・サシペレレがいることに気づくが、サシペレレはガハハ三人組によってそそのかされた僧魚によって操られてしまい、試合に乗じて悪魔くんを倒そうと勝負を仕掛けてくる。究極の酒を見つけて戻って来た妖虎の力を借りて何とか僧魚を退治しサシペレレを元の状態に戻した悪魔くんはサシペレレを十二使徒として迎え入れる。こうして十二使徒全員が揃ったことで物語は次のフェーズへ移ることに。
その始まりとなる10・11話は前後編であり、本作のラスボスとなる東嶽大帝が打倒悪魔くんのため本格的に動き出す。東嶽大帝の部下であり幹部クラスの悪魔・クエレブレは使い魔である魔火に指示を送り、悪魔くんをおびき出すための幻の館を作り出し、埋れ木一家をニセの家族旅行に招待する。一足先に幻の館へ行った両親とエツ子の後を追って悪魔くんと百目・メフィスト2世も館へ向かうが、そこにはかつて魔女狩りで残酷にも恋人と引き裂かれ火炙りの刑に処された哀しき女性が関わっていた…という物語。
12話は悪魔くんの友達の貧太が魔火にそそのかされマンダラケという悪魔を召喚、マンダラケによって3つの願いを叶えてもらった貧太は、その代償として操られることになり悪魔くんを倒す手助けをすることになる…というお話である。
ということで9話から12話のお話はスポ根要素を絡めたお話にゴシック・ロマンスのホラー、日常のちょっとした不満が切っ掛けで安易に願いを叶えてしまうことの危険を説いた教訓系の物語と、それぞれ毛色の異なるテイストやテーマになっていたのが特徴と言えるだろう。個人的に10・11話のゴシック・ロマンス的な物語はベタだけど大好きなジャンルなので存分に堪能させてもらった。どうやら10・11話は7話の月人のエピソードと同様、山田真吾版「悪魔くん」から選出されたエピソードらしいので、いずれ山田版も購入して読んでみようと思う。
ちなみに、クエレブレは本作では悪魔となっているが、伝承ではスペイン北部に伝わるドラゴンの名前である。そして魔火は前回レビューした5期鬼太郎のゴーレム回でも登場したから知っていた人もいるだろう。本作では国籍は不明であるものの、5期ではフランスの妖怪として登場していたから、多分この「悪魔くん」の魔火もフランス出身なのだろうか…?
そして貧太によって召喚されたマンダラケだけど、これは確か水木先生の世界妖怪事典に載っていた妖魔だったと思うが、マンダラケという名で載っていたかどうか覚えていない。一応ネットで「マンダラケ」と検索してみたけどヒットするのはお店の方の「まんだらけ」ばかりで全然わからなかったので、情報をお持ちの方は教えていただけるとありがたい。
(2026.03.05 追記)
アマゾンで山田版を購入したので早速読んでみたが、7話の月人のエピソードは「悪魔メフィスト」、10・11話のエピソードは「まぼろしの館」が元となる。
7話で月人は元々百目一族と仲が良く、一族が滅んだ際にその死体を利用したことになっていたが、原作では百目を殺してその皮をかぶっていた、ということになっている。更に子供を催眠術で操っていた月人は原作だと妖怪のすねこすりや千草という死人を霊波によってよみがえらせ操っていた。
(ちなみに「悪魔くん」のすねこすりは「鬼太郎」に登場するすねこすりほど可愛くなかった…ww)
10・11話で説明された女主人の過去は原作にはないアニメオリジナルの設定で、原作の彼女は単に人間の魂を食べる妖怪(というか妖婆)であり、魔女狩りとか恋人と引き裂かれたといった来歴は特になかった。当然ながら魔火は原作には登場していない。
そして小学館から刊行されている『水木しげる 世界の妖怪大百科』も購入したが、それによると魔火はフランスの妖怪で、日本の鬼火と同じようにいたずら好きで人を道に迷わせたり、群れをなして町に現れると記されている。マンダラケもヨーロッパに伝わる妖怪で、人が寝静まった夜に空に浮いていていきなり人に襲い掛かる。襲われた人は身体がしびれてしまうが、このマンダラケは中世では錬金術の材料として用いられたと記されている。
(追記ここまで)
悪魔くんを置いて家族旅行へ行く埋れ木一家

©水木プロ・テレビ朝日・東映アニメーション
今回見ていて一番気になったのが、10話で魔火の計略により家族旅行へ行くことになった埋れ木一家に関することだけど、
悪魔くんを置いて先に旅行へ行くって、普通に家族としてヤバくないですか…ww?(苦笑)
これは当時の価値観として考えてみてもアウトというか、映画「ホーム・アローン」と違って意図的に真吾を家に残して外出しているから、どう贔屓目に見ても擁護出来ないように思うが、どうだろうか?
まぁ埋れ木家は父親が漫画家で息子の悪魔研究を否定していないことから見ても、他の家庭と比べて放任主義的な一家だからあのような判断をとったと考えられるけど、とはいえ小学生の息子を置いてけぼりにするというのは放任主義の度が過ぎるというものだろう。せめて父親か母親のどちらか片方は家に残って真吾が来るのを待つとか、そもそも前日の段階で出発の時刻を伝えておくとか、それくらいのことはやらないとさぁ…。
百目やメフィスト2世がいたから、そこまで酷い描写に感じなかったけど、この二人がいなかったら結構酷い描写になっていただろうなと思う。っていうか母親は指定席での列車旅行が今まで出来なかったからと言って、そっち優先して息子を置いていくという選択肢をとるのは、いや、もう、ダメですよガチで。一生もののトラウマになりますよ。悪魔くんのメンタルの強さに感謝してくださいよ?
さいごに
ということで今回の感想は以上の通りだが、コミックボンボン版だと最初の段階で十二使徒が揃っていたのに対し、アニメでは9話という尺をかけて十二使徒探しを行っているので、事前に用意された仲間ではなく悪魔くん自身が見つけ出した仲間という感じがしてそこは良いなと思った。十二使徒の序列も「運命数」という形で説明され能力差ではないことを強調しているのも悪魔くんと十二使徒の間に上下の関係はない、ということを明確にしている感じがする。「運命数」という設定はアニメオリジナルのものか、それとも原作にある設定なのか、そこが気になる所である。
(そういや以前テレビで占い師の島田秀平氏が「ソウルナンバー」とか言っていたのを思い出したが、どうやらそのソウルナンバーというのが運命数のようで、西洋占星術・数秘術では割と基本中の基本知識らしい)
さて、次回は地獄で何やら大きな動きがあるようで、悪魔くんが立ち向かう相手は悪魔だけでは済みそうにないようだ。


