タリホーです。

趣味を中心とした話題に触れていく所存(本格ミステリ・鬼太郎 etc.)

ほどよく視聴者を惑わすドラマオリジナル脚本(霊媒探偵・城塚翡翠 #3)

先週の3話の感想だけど、ほぼ原作通りで特に言及することはなかったのでカットします。強いて感想を言うなら、あの回は全国の写真部が色々と誤解されそう。

 

(以下、ドラマのネタバレあり)

 

「VS エリミネーター」(前編)

medium 霊媒探偵城塚翡翠 (講談社文庫)

前回の3話は原作の第三話「女子高生連続絞殺事件」を映像化したもので、今回は原作の第四話「VS エリミネーター」の映像化となった。第三話と第四話はいずれもシリアルキラーとの対決を描いた物語ではあるが、三話が前哨戦的なものだとすると、四話は本戦であり、これまでの事件に仕掛けられたアレコレを回収しながら解決するという内容だと言っておこう。あまり言うとネタバレになるからね。

 

ただ、ドラマの4話は原作とは全く異なる筋書きになっており、原作であまり目立った活躍も行動もしなかった鐘場警部にスポットライトをあて、彼に疑惑が集中する展開となっているのが今回の見所である。

これに関しては重大なネタバレにならないから言っても良いと思うが、流石に視聴者の大多数はそのまま「鐘場警部が透明な悪魔でした~」という真相になると思ってないよね?そんなストレートな真相でミステリランキング5冠はとれませんよ。

 

透明な悪魔(原作のエリミネーター)が誰かという予想については、私は原作既読なので未読の方の興をそがないよう敢えて何も言わないが、実を言うと原作を読んだ際エリミネーターの正体については結構早い段階でわかったのよ。これは国内外の有名なミステリ小説を100冊ほど読んでいれば誰だってわかると思うし、そもそも序盤をちゃんと読めば「含みのある文章」があるので、そこから容易に予想はつく。

そんな訳で本作におけるフーダニット=エリミネーターの正体に関してはそこまでの仕掛けではないが、重要なのはもう一つのサプライズの方で、これがミステリ小説として評価されている部分なのだ。これはまた次回以降説明していこうと思うので今回はこれくらいにする。

 

今回のオリジナル展開について最後に言っておこうと思うが、原作ではミスリードさせるような描写がないため容易にエリミネーターの正体に辿り着けたが、ドラマの方はほどよく視聴者を翻弄させるように作られており、原作を読んでなければ私も惑わされていたに違いない。