タリホーです。

趣味を中心とした話題に触れていく所存(本格ミステリ・鬼太郎 etc.)

リメイク版「金田一少年の殺人」は寂しい解決を迎える(五代目「金田一少年の事件簿」#7)

 

(以下、原作ほか初代ドラマ版も含めた事件のネタバレあり)

※犯人の動機について加筆しました。(2022.06.13)

 

File.5「金田一少年の殺人」(後編)

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今回は前回からの続き。事件解決のために橘の暗号を追ってはじめは野中の元へ向かうことになる。

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前回の感想記事でも言及したように、後編となる今回の注目ポイントは

①原作の明智警視がとった「ある行動」をどうするか

②前編でほとんど傍観者だった美雪をどう扱うか

犯人の動機はどう改変されたのか

の三点となるが、まずは原作の事件解説をして、それから上記のポイントについて語っていきたい。

 

原作の事件解説(犯人のアドリブ力が試されたトリック)

Who:割られた水槽、眼鏡の違い

How:「見えない道」を利用した移動トリック

Why:臓器密輸の悪事を暴露した橘の原稿が公になるのを阻止するため

今回の犯人は最初から橘を殺害する予定は立てておらず、ましてやはじめをスケープゴートとして利用しようと当初から計画していた訳ではないので、正に犯行は行き当たりばったりなものだったのだが、そのアドリブ力の高さは特筆すべき点と言えるだろう。

 

メイントリックは殺害現場の書斎のドアから本館に続く寝室のドアへと橋渡しの要領でドアを伝って移動していき、地面に足跡をつけず本館に戻るという、なかなかにフィジカルの強さが試されるトリック※1だ。このトリックはTBSの番組水曜日のダウンタウンで実際に検証されているが、ミスターSASUKEこと山田勝己さんが検証したから簡単そうに見えたものの、今回の犯人のような中年男性がこれをやるとなるとなかなか厳しいのではないだろうか?

一見するとユニークかつ完璧なトリックだが、アドリブのトリックなだけあってリスクも相当高い。例えば、使用人のお菊さんに橋渡しのためのドアを開けさせようと犯人は寝室の換気をお願いしているが、ドアを全開にしてくれたから良かったものの、換気程度ならドアを軽く開けておいても十分いけるので、橋渡しとなる寝室のドアに手が届かなかった可能性も当然あったのだ。また、足場となるドアノブの強度もどこまで頑丈に作られているかわからないから、足を乗せたら変形・破損してしまう恐れもあったし、そうなると警察の現場検証でトリックがバレてしまう。もっと言うとドアノブに付くはずのない下足痕が残るのだから、実際にこんなトリックを使ったら鑑識の捜査で一発でバレてしまうよ。ただリスクが高いとはいえ、アドリブでこのトリックを思いついた犯人の発想力は流石だと思うし、ミステリとしてもフェアな作りになっているため、個人的にはリスクの問題くらいでは作品の質は下がらないと思う。

 

何より、今回のトリックは密室トリックの変奏曲的な扱われ方をしているのもまた面白い点だ。金田一はじめがいたから橘の書斎が密室だったという印象を受けないが、はじめの足跡がなければ犯行現場は犯人の足跡なき密室となっており、警察やはじめもある種の密室殺人として事件を調査していたと思われる。犯人の足跡なき密室は、海外だとカーター・ディクスン『白い僧院の殺人』、国内だと横溝正史「本陣殺人事件」有栖川有栖スウェーデン館の謎』などが正にそのタイプの密室になるのだが、本作は足跡のトリックを敢えて密室トリックとして描かず一種のアリバイトリックとして読者に提示しており、そこに本作の独自性というか、唯一無二感がある。

 

※1:私の記憶が確かならば、(原作者曰く)本作のトリックはドリフターズのコントが元になったらしい。ちなみにアニメ版ではドアの前に石段があるため、途中までならドアにしがみ付かずに飛び石の要領で石段を飛んで行けば苦労しなかったような…?

 

〇暗号とフーダニットについて

一連の連続殺人の元凶となった橘の暗号について言及するが、暗号自体はローマ字変換したものを逆から読むという至極シンプルな暗号であり、作中ではじめがヒントを出していることもあって、比較的読者も気づきやすい作りになっている。ただしこれは暗号の第一段階であって、ここから暗号ではなく伝言ゲームになっていくのが面白い所。その伝言も野中の「私で終わり」という一言で唐突に終わってしまうため、作中のはじめと同じく困惑した読者も多かったのではないかと思う。ここから更に伝言ゲームの順番と被害者の名前の頭文字に気付けるかどうかが問題となる。

最初の暗号を解読し伝言を追っていくという決まったプロセスを経ていかないと解けない暗号なので、伝言役を担った被害者(大村・時任・桂・野中)が他の参加者と比べて圧倒的に有利かというと全然そんなことはないし、、難易度的にもちょうど良く公平さに欠けていないという点では実に気の利いた暗号ではないだろうか?

 

フーダニットについては、殺害現場で犯人が橘ともみ合った末に壊されたと思しき水槽が最大の手がかりとなる。実際は橘が殺害された後に壊されたもので、犯人が現場に残したものをカモフラージュするために破壊したものだが、水槽ということで作中の剣持と同様に水で何かを誤魔化したと推理した方もいただろう。ただ、水で誤魔化せるものと言えば液体状のものしかないし、じゃあその液体状のものは何だという話になるので、どっちにしろ推理は行き詰まるようになっている。

はじめは水ではなく水槽のガラスで眼鏡のレンズの破片※2をカモフラージュしたと推理し、殺害後に眼鏡が変わっていた都築を犯人と指摘する。都築の眼鏡の違いは、はじめが都築の家でビデオを確認している場面(第6回の17・18ページ)や、軽井沢に向かう電車内の場面(第7回の15ページ)などで確認することが出来るが、特に第6回の方は「!?」のマークがあるため、よりヒントとしてわかりやすくなっている。

解決編では、都築がこの眼鏡の違いについて「単なる気分で(眼鏡を)かけかえた」と反論したので、はじめは眼鏡のレンズに映った都築の顔の輪郭の違いを元に、近視用眼鏡から遠視(老眼)用眼鏡に変わっていることを見抜き、気分でかけかえるものではないと述べ都築を追い詰めている。この手がかりに関しては問題編で描かれていないため、あくまでも解決編でのダメ押しとして挿入されたものだと捉えるべきだろう。

 

※2:大村の殺害現場では大村が撲殺されたことで彼の眼鏡が割れレンズの破片が散らばっていたが、実はこの殺害現場が犯人特定のヒントになっている。

 

〇ミステリだけでは語り切れぬ一作

以上、トリックやフーダニットといった面で解説してきたが、本作はストーリー面も凝っており、その一つに過去作からの登場人物による援助が挙げられる。いつきが初登場した「悲恋湖」では、彼は決して良い性格とは言えない言動を終始とっていたが、本作でははじめが逮捕された際に真っ先に知り合いに頭を下げて彼の無罪を証明するための協力を要請していた。明智警視も「雪夜叉伝説」の時はイヤミな部分が強調された人間だったが、本作では途中まではじめを追い詰める側だったものの、最終的に真犯人逮捕のため協力している。こういった過去作での出会いが真犯人逮捕に結びついているのが素敵な部分であり、本作のキャラクターを魅力的なものにしている。

出会いと言えば、実は原作で美雪とはじめは衝撃的な出会いを果たしているのだが、これはアニメ版でもドラマ版でもカットされている。詳しく言うとネタバレになるので、この出会いの意味を知りたい方は、原作の異人館ホテル殺人事件」を読んだ後に本作を読んでいただきたい。

 

ドラマ(初代・五代目)の事件解説

今回の感想に移る前にまずは初代の改変ポイントについて言及していきたい。

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上の感想記事で簡単に改変ポイントについて言及したが、初代では暗号解読のプロセスは同じながらも1話完結にするため暗号内容やフロッピーディスクの隠し場所、そして暗号に関わる登場人物までも改変している。

原作の「裏川辺奇々なる藻を」という暗号が「裏川辺危機の墓」になっており、それによって大村は編集プロダクション社長の赤帆、時任はカットされ、桂は物部という女性タレントに変更されている。ということで、暗号の答えも「赤・物・野中=石仏の中」になり、橘の別荘に置かれていた石仏からフロッピーディスクが発見される。

原作では大時計の中だからともかく、初代ドラマ版は石仏を壊さないと見つからないため、偶然発見されないよう考えられた隠し場所になっているのが面白いと感じる一方、取引先の別荘の物品を破壊しないといけないというのは誰だって心理的に抵抗感があるし、そういった参加者たちの心理を突いた隠し場所にした初代ドラマ版の橘は原作以上に意地悪な性格と言えるのではないだろうか?

 

初代では長島警部がカットされているため明智警視がその役割を担うことになるが、原作と違い最後まで金田一を犯人として疑っており、「雪夜叉伝説」で鼻を明かされたことに対する仕返しだと言わんばかりに追い詰めてくるため、結果的にドラマ版の明智警視の株は大きく下がったまま終わっている。これに関しては原作ファンや初代のドラマを支持する人の間でも不満ポイントとして度々挙げられており、それだけにドラマで原作通り(キザな面もあるけど)クールな明智警視を求める声も多いと思う。残念ながら今回のリメイクで登場することはなかったが、いつか登場することを期待しておこう。

 

〇五代目の改変について

今回のリメイク版は暗号の内容こそ原作と同じではあるが、金田一が殺人犯として追われている状況は、実は原作や初代以上に厳しい状況になっている。

原作や初代ドラマ版を見た方ならご承知と思うが、はじめは橘殺害に関しては状況証拠と動機が揃っており限りなく黒に近い容疑者である一方、大村以降の殺害に関しては状況こそ非常に不利なものの彼らを殺す動機は一切ないため、動機という点では有利であり、仮に裁判になったとしてもそこを論点に弁護することは可能ではないかと考えられる。

しかし今回は大村以降の殺害にも動機が成立してしまっているのが何気に恐ろしい。原作と違い警察が到着する前に時任ははじめが犯人であるという状況証拠を示して彼を疑ってかかり、大村は彼が犯人であることを補強する証言を菊蔵から引き出している。野中は剣持の制止を無視して警察に通報したし、桂木に至っては橘に絡まれた際はじめを巻き込んだそもそもの元凶であるため、大村以降の連続殺人が犯人だと決めつけ通報した大村・時任・野中、橘殺害の原因となった桂木に逆恨みしたが故の犯行※3と説明出来てしまうのが今回のリメイク版の恐ろしい所であり、それだけにはじめが窮地に立たされていることがより強調されていたのではないかと思う。

 

※3:原作と違いはじめに殺される可能性がある人物として描かれているため警察は彼らを保護すべきだと思ったが、そうなると連続殺人にならないのがもどかしい点である。ただ、桂木に関しては彼女が悲鳴を上げた段階で警官が一人でも駆けつけていたら助かっていた可能性が大きいので、木殺害は神奈川県警の手落ちであることは間違いない。

(というか、あれだけ警官や刑事がいて高校生一人を捕り逃すのだから、マジで神奈川の治安ノーフューチャー!)

 

フーダニットに関しては原作同様壊された水槽と眼鏡の違いによって都築が犯人と推理出来るが、今回のリメイク版の都築は30代の男性のため原作のようにスペアの老眼鏡を使うと設定に無理が生じてしまう。そのため、橘が首からぶら下げていた老眼鏡を咄嗟に利用したという形で改変しているのが何気に上手い改変である。ちなみに、前編ではじめが犯人に殴られて昏倒した際、橘の腰の部分に犯人が落とした眼鏡が映っている※4ため、仮に都築の眼鏡の変化に気がつかなかったとしても、そこから推理が出来るよう作られている。

 

そしてメイントリックのドア伝いの移動は、初代ドラマ版と同様原作でドアの開錠に使われた鍵の束がカットされ、ドアノブも手で捻る円筒型のドアノブからレバー式のドアノブに変わったことで足で簡単に開閉出来るようになっており、トリックがより実行しやすい状況になっている。特に今回は(一部とはいえ)犯人である都築がドア移動のトリックを実際にやる場面も映像化しているため、都築役を若い方にしたのもそういった理由からであろう(流石に中年男性がやるにはキツいトリックだし)。

あと個人的に良かったと思うのが、犯人が菊蔵に電話して寝室のドアを開けさせた下り。原作の事件解説の項で述べたように菊蔵がドアを全開にしなかった可能性もあったので、はじめがこのトリックを「賭け」だと明言した時、今回の脚本は本作のトリックのリスク性にちゃんと気づいているとわかって感心した。

 

※4:一見すると橘の眼鏡かと思うが、橘の眼鏡は紐でつながっている上に首の前に下げていたのだから、仮にあれが橘の眼鏡だったとしても、もみ合いで体の前に落ちることはあっても背中側の腰の部分にいくことはまずあり得ない。故に、あれは犯人の眼鏡であると推理することが出来るのだ。

(ただ、橘の眼鏡がなくなっているのだから菊蔵か警察が気づきそうなものだが…)

 

今回のリメイク版ではトリックのフィジカル面を考慮し、都築を若い男性に変えたことを出発点にして改変を施している感じがするが、初代やアニメ版と違い今回のドラマの解決編は、はじめ・剣持・いつき・都築のたった四人で展開される寂しい解決編になっているのが特徴で、鴨下や針生がいないのは当然ながら、はじめを犯人として追っていた高林刑事までいないため、犯人の都築自身がはじめの推理にツッコミを入れ、最終的に自白をするという都築の独壇場としての解決編でもあった。アニメ版も初代もこの解決編は長島警部や美雪・佐木といったリアクション役となる人物がいるためそれなりに盛り上がる場面なのだが、今回は終始静かな謎解きであり、都築の独白も激情的な心の動きがあったにもかかわらず実に淡々とした語りになっている。

 

犯人の動機は原作と同じだが、動機の大本となる人物が原作だと都築の娘・瑞穂だったのに対し、今回のドラマでは都築の婚約者・麻衣子として改変されている。都築の年齢が若くなったので娘よりも婚約者の方がしっくり来るのかもしれないが、これによって物語の結末も当然変わることになった。

原作では瑞穂に事件の真相を知らせない(海外へ仕事に行ったと嘘をつく)ままいつきが彼女を引き取るという結末になっているが、麻衣子は都築の罪を知っており彼が自分の命を犠牲にして腎臓を自分に譲ったことも知っている。どちらの結末も悲しいと言えば悲しいのだが、原作や初代ではいつきが瑞穂の後見人になるので仄かな救いが感じられる結末になっている一方、今回の麻衣子は最愛の婚約者を失いながらも、彼が自分のために犯した罪と向き合い、自分に託した命のバトンを受け取り生きていくというなかなかにハードな結末になっている。いつきやはじめの「都築が犯した罪まで抱える必要はない」という声掛けがあったとはいえ、(再婚しない限りは)この先一人で抱えていくことになるため、そういう点で今回のリメイク版は腹にずしんと来る重い結末になっていたのではないだろうか?

ちなみに、今回のリメイクで何故娘から婚約者にわざわざ変更したのかと疑問に思った方もいただろうが、これは2009年の法改正で親族への臓器提供を目的とした自殺を防ぐため、親族に臓器を提供するため自殺を試みた人からは臓器の優先提供を認めないと定められたからであり、原作通りやると都築の腎臓は娘の瑞穂に移植されないことになる。だから婚約者に変更された訳であり、決していたずらに新しい展開を生み出そうと思って改変された部分ではないことをここでハッキリと言っておく。

 

あ、危うく忘れそうになったが、原作で明智警視がとった行動――はじめに向かって空砲を撃つ――について言及しておきたい。はじめがポケベルの番号を暗号として利用することで明智警視(初代ドラマ版は剣持)にメッセージとして伝わるようになっていたが、令和の今ポケベルは使えないためどうしたかというと、通りすがりの子供に伝令役を任して剣持にメモを渡させ、そのメモにオレンジジュースの汁で文字を書くことで炙り出しで読めるよう細工したという、まさかの古典的な改変となった。

正直言うと子供を伝令役にして剣持に直接メッセージを渡しているのだから、炙り出しの細工をする必要はあまりないと思ったのだが、剣持の近くに高林や他の刑事がいたらメモの内容を見てしまう危険性があったため、あのような細工をしたと考えられる。それでも改変として効果的だったかと言うと微妙な所ではあるが…。

 

さいごに(はじめを草食系として描いた功罪)

初代ドラマ版と違い今回のリメイク版は前後編として描いたこともあって内容自体は丁寧に作られている感じがしたし、初代で大幅にカットされた逃走劇の場面も要所要所で描かれたことで緊迫感はあったと思う。(道枝さんとしては四代目・山田版の「金田一少年の決死行」と似たような経験が出来て良かったんじゃないかな?)

また、本作の被害者は橘の暗号のせいで殺された不幸な被害者たちであり、一度殺されてしまうと回想場面でもほとんど出ることがないまま終わるため、これまでの復讐目的で殺された被害者たちと比べると存在感や印象が薄くなる所だったが、はじめを犯人として疑い追及する改変をしたことで、それぞれの被害者に見せ場みたいなものが出来て印象に残る作りになっていたと評価したい。

 

リメイクとしては初回の「学園七不思議」よりは間違いなく良かったと言えるが、かと言って凄く良かったかというと微妙な所で、特に後編は(前述したように)解決編が寂しく原作で最後まで追及役として出た長島警部に相当する高林刑事が途中から登場しなくなるため、何か歯の抜けた感じがするというか、はじめが石頭の刑事の鼻を明かすという痛快さが完全になくなっているため、そういった物足りなさはあった。

そして今回のエピソードでは結局最後まで美雪が傍観者として終わっているのも残念なポイントである。原作ではじめは殺人犯として追われながらも美雪を気にかけ、彼女の誕生日を祝うというちょっとしたサプライズまでしている。前々回の「トイレの花子さん」で美雪との関係性を重視した結末にしているから、今回の後編でも何かしら目立った動きがあると予想しておりそこがちょっと肩透かしだったが、これは五代目金田一の性格を草食系にしたが故の問題ではないかと考えている。

 

原作や四代目では美雪と深い関係になろうとする向きがある一方、今回の五代目は恋愛面に関しては奥手というか関心が薄い。一応美雪を意識しているとはいえ表立ってそれを行動に移せない部分がある意味魅力的ではあるのだが、草食的なムーブメントによって原作のはじめが持つ情熱さがやや損なわれているのも確かで、この辺りのさじ加減がドラマ化する上で難しいポイントだろう。5話までの段階では、はじめと美雪の関係性はあまり気にならなかったが、今回は特にはじめの草食性が脚本的に良くない方向で描かれてしまったかな~という感じがした。

勿論、五代目の道枝さん演じる金田一の性格描写が悪い訳ではないし、体癖論の観点(これに関してはドラマが終わってから改めて言及したい)から見ても五代目金田一のキャラ設定は道枝さん自身の性格と大きく離れていないと思うので私は好意的に評価している。しかし今回は美雪もはじめもお互いに受動的な態度をとっているため、原作と比べると関係性の描き方については劣っていると評価せざるを得なかった。

(せめてはじめが剣持に撃たれた際に美雪もあの場にいたら、ドラマとしてもっと劇的な場面になっていたのだがな…)

 

 

次回は当ブログで私が予想していたあの「飛騨からくり屋敷殺人事件」が遂にリメイクされる。タイトルは初代と同じくまた変わっているが、それ以上にこの名作をどう改変するのか、楽しみで仕方ない。