タリホーです。

趣味を中心とした話題に触れていく所存(本格ミステリ・鬼太郎 etc.)

「探偵が早すぎる」シーズン2感想 #6(トリックは金をかけたもん勝ち)

「トリックって金がかかる・・・・!!」

©船津紳平「金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿」 より

 

(以下、ドラマのネタバレあり)

 

6話感想(美津山四兄妹との決着)

前回まさかの復活を遂げた美津山四兄妹。そして突然の急死を遂げた秋菜未亡人。これによって一華らは秋菜の葬儀が行われる葬儀場で美津山四兄妹と直接対決することになる…というのが今回のあらすじ。

もう後に引けなくなった四兄妹が今回用いたトリックは3つ。一つ目は順三郎考案のコンバラトキシンを用いた毒殺トリック。劇中でも説明があったように、スズランに含有されている毒で、スズランを生けた水を飲んでも中毒症状で死亡するというから結構危険な毒だ。この毒を湯呑みに塗って毒殺しようとしたが、これは初手からバレバレだったのであえなく失敗。そもそも、どう転んでもスズランの水を誤飲するなんてあり得ないしね。

 

とはいえ、この毒殺トリックは捨てトリックであり、障害となる千曲川を仕留めるためのエサとして用いられたもの。二郎はオレアンドリン入りの抹香で末弟の順三郎もろとも千曲川を病院送りにして、メインとなる一華・宗介・葉子の抹殺へと取り掛かる。

(ちなみに、オレアンドリンは夾竹桃に含まれている毒。夾竹桃はシーズン1でも用いられた毒なので覚えている人もいるだろう)

 

残りの三人の殺害は棺にメタンガスを放出する装置を仕込み、棺に釘を打つ石にニトログリセリンをこっそり塗って、喪主の宗介がその石で釘を打ったら発火して棺に充満したメタンガスに引火、棺の中の秋菜未亡人もろとも爆破という爆殺トリックで仕留めようとした。

ただ一応言っておくと副葬品には不燃物を入れてはいけない決まりがあり、いくら爆発物をカモフラージュするためとはいえロボットのおもちゃを棺に入れるというのは現実的にはあり得ないし、実際は側にいる葬祭スタッフが止めていたはずだ。だからあくまでもフィクションのトリックとして理解しなければならないことをここで断っておく。

 

千曲川不在であわや四兄妹の目論見は達成されるのか…と思いきやそこは全て千曲川の計算の内。というか初手から美津山四兄妹は母親の秋菜の手の平の上で踊らされていたに過ぎなかったのだ。

前回の冒頭で千曲川と秋菜が密談を交わしていたから、秋菜未亡人の死は偽装されたものだというのはまぁ予想の範囲内だったが、病院を買収したのはまだしも、あの死体が人形ではなくアンドロイドだったとはね。動く必要がないのだからアンドロイドにする必要ある?と思うけど、宮崎美子さんがアンドロイド役も兼ねて棺の中で奇声を発していたのは面白かったので良しとしましょう(何様)。

個人的には「若真口」が千曲川の逆さ読みだということをスルーしちゃったのが悔しいな。そこは先に気付いておきたかった。

 

そんな訳で、母親からも完全に縁を切られ、千曲川&橋田のトリック返しによって美津山四兄妹は全滅。毒でも復活したから爆破ぐらい何てことなさそうな気もするが、これで決着はついたみたいなので、良かったですね。

やっぱり美津山四兄妹は元本がない分、大陀羅一族よりトリックもその出来も小粒レベルだったし、資金面をケチって毒とか爆薬で済ますとダメなんですよ結局。どんなことにも当てはまるが、手間をかけるか金をかけるかどちらか最低限満たしてないとクオリティの高いものって作れないし、そういう点でも秋菜未亡人は圧倒的に有利だったという話だ。

 

次回からは、影で一華殺害を目論む犯人を追う「黒幕編」が始まるが、いや~、正直安心した。先週の段階では黒幕なしで四兄妹との戦いで1クールもたせるつもりなのかと嫌な予感がしていたので、ちゃんと黒幕がいて安心した。これで私の黒幕予想も無駄にならなかったという訳だ。黒幕に関してはまた次回の様子を見て再考出来れば良いかなと思うので、今回はこれにて。