前回もツッコミ所はあったけど、今回はもっとツッコミ所満載なのでバンバンツッコミます。でも、酷評とかではないよ?面白いことは面白いから。
(以下、ドラマのネタバレあり)
2話感想(エタノール発火)
今回は一華が勤める化粧品会社に潜入した美津山四兄妹の三男坊・順三郎が暗殺計画を仕掛ける。順三郎は四兄妹の中でもバカにされ見下されるキャラであり、そんな彼が兄・姉たちを見返そうと発起したがやはりバカが考える計画だな~と思ったよ。
順三郎の計画は、一華が仕事で着ている白衣に多量のエタノールを噴霧し、可燃性の衣類として下準備しておく。そうして清掃業者として侵入し、一華がこれまた身に着けている天然水晶のブレスレットを火打石として利用することで、白衣に着火させ焼死させるという計画だった。※
ドラマ本編を見た方ならおわかりだと思うが、火災が起こっていないエントランスホールでいきなり人体発火が起こり人が死んだらどう見ても事故には見えない。この時点で「事故に見せかけて殺す」という前提を無視した計画なのがもうバカ過ぎるっ!
それにね、エタノールって揮発性が高い液体だから前日の間に会社に潜入して白衣にいくら噴霧した所で、翌日にはほとんど揮発して白衣に残っていないはずだから焼死させるレベルまで燃えるとは思わないんだよね。
(一応これでもタリホーは前勤めていた会社でエタノールを扱ったことあるから取り扱いとか特性は知っているよ)
劇中で「特殊なエタノール」と言っていたから、多少加工して揮発性を弱くした可能性はあるだろうが、それでも臭いの問題はクリア出来ない。エタノールは無臭の薬品ではないし、焼死させるために多量に使えばそれだけ臭いも目立つから、その点もガン無視で計画しているのが何だかな~って思った。
※今回のように水晶をはじめとする物質に圧力を加えると圧力に比例した分極が現れる現象を圧電効果と呼ぶ。ちなみに、千曲川はピエゾ効果と言っていたが、別名であるだけで内容自体は同じ。
(2022.04.28 追記)
千曲川のトリック返しについては、噴水に大量のウォッカを流し、水だと思い込んでウォッカ浸し状態になった順三郎に火を放つというもの。ウォッカも酒だから臭いはあるのでは?と思ったが、基本的にウォッカは無味無臭でクリアな味わいらしいので、順三郎が油断して引っかかったのも別にドラマの都合でそうなった訳ではなさそうだ。
それに、低温でもアルコール度数が高ければ発火はするので、その点でもウォッカを利用した千曲川の方が一枚上手だったと言えるだろう。
タリホーならこうして暗殺する
今回の暗殺計画は問題点がいくつかあったが、ポイントとしては
①人目の問題(大勢の人の前でいきなり人体発火は不自然)
②エタノールの揮発性の問題(前日に白衣に噴霧しても揮発して意味がない)
③エタノールの臭いの問題(殺傷するだけの量を使えばそれだけ臭いも目立つ)
と、主に3つの問題が挙げられる。
この問題点をクリアして、なおかつ順三郎と同様にエタノールを利用した暗殺をするならどうするか。
まず私なら、化粧品会社を舞台にせず、一華が通勤していた公園沿いの道路を舞台にする。そして肝心なのは大雨が降った翌日に実行することだ。
何故大雨の翌日に実行かと言うと、雨の日の翌日には道に水たまりが出来るでしょ?その水たまりをエタノールが溜まった水たまりにするのだ。勿論、揮発性のことも考えて、一華の通勤(或いは退勤)時間からそう遠くない時刻にエタノールの水たまりを作っておく。この時、水たまりを一華が避けないよう水たまりのサイズや深さに注意して作る。(当然作る所を見られないように!)
そうして作ったエタノールの水たまりに一華が入った所で燃えたもの、例えば吸いかけのタバコなんかを放りこめば一気に水たまりは火の海となり燃え上がるのだ。
ただ、服にまで引火させるのは難しいと思うから事前に靴や衣類を引火性の素材にすり替える(または引火性の衣類を着させる)といった細工も必要となる。また、事故死に見せかけなければならないので、不法投棄に見せかけてエタノールの容器をそばに転がしておくことも必要だろう。
あと臭いの問題はどうするかと言うと、これは化粧品会社で異臭騒ぎを起こせばクリア出来ると思う。今回の順三郎のように会社に潜入して異臭を放つもの(出来るだけエタノールに近い臭いのものが良い)を置いておき、暗殺を決行する当日に一華の身体にその異臭がかかるようにする。そうしておけば、退勤時エタノールの水たまりの近くまで来たとしてもその臭いが自分の身体に染み付いた臭いだと誤解してそのまま水たまりに入るだろうしね。
以上の暗殺計画を要約すると、
①場所は一華が通勤する公園沿いの道路
②日時は大雨の降った翌日、一華の退勤時を狙う
③事前準備として会社内で異臭騒ぎを起こし、一華に引火性の衣類を着用させる
④退勤前にエタノールの水たまりを用意し、一華が水たまりに入った所で吸いかけのタバコを放り込む
→一気に水たまりが火の海となり焼死。不法投棄されたエタノールがこぼれ、運悪くタバコが引火したことによる事故として処理される
完璧ではないにせよ、これなら順三郎の計画よりはボロが少ないと思うが、どうだろうか?