タリホーです。

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ゲゲゲの鬼太郎(5期)第8話「宿敵! ぬらりひょん」視聴

今回は9月23日までの配信。

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蛇骨婆・旧鼠・蟹坊主・百々目鬼

本筋に入る前にまずはいつも通りキャラ紹介。ぬらりひょん・朱の盆については6期76話で言及したのでここでは割愛し、それ以外の4体について紹介しよう。

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蛇骨婆は原作にも登場する女妖怪で、ぬらりひょんの相談役的な立ち位置を果たしている。アニメでも2・6期をのぞく期に登場しており、5期では鬼太郎ファミリーに対抗するぬらりひょんファミリー砂かけ婆に相当するポジションにいる。とはいえ活躍の度合いはあまり少なく、一番活躍したのは4期の蛇骨婆だろうか。

ちなみに実写版の映画ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌では佐野史郎さんが蛇骨婆を怪演している。水木先生曰く「75点」の出来だったとか。

 

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旧鼠は江戸時代の奇談集や随筆にその名がのる巨大化した鼠の妖怪。親猫が死んだため残った子猫たちを育てたという話や、反対に猫を食べようとした話がある。

原作では鬼太郎国盗り物語シリーズに鼠の王として登場するがまだ映像化はされておらず4期のアニメオリジナルの物語で初登場。5期ではぬらりひょんファミリーのねこ娘ポジションに相当する。鼠だからねずみ男ポジションじゃないかと思うだろうが、一応ファミリーとして役に立つポジションだし、どちらかと言うと朱の盆の方がぬらりひょんファミリーの中ではねずみ男ポジション――ほぼ無能だが、いないと歯抜けな感じがする立ち位置――にいる。体内に猛毒を持っているがこの特性が活かされたのは今回だけで、(記憶が確かならば)これ以降は特に目立った活躍はなかったと思う。

 

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古寺に住みつき、そこを訪れた僧に「両足八足大足二足、横行自在にして、眼は天を差す。これ如何に」と謎かけをし、答えられない者を食い殺したという有名なエピソードがあるこの妖怪は、アニメでは4期に初登場。当初は鬼太郎の敵だったが後に味方妖怪として協力している。5期では図体の大きさからぬらりひょんファミリーのぬりかべポジションとして活躍。6期では元ネタの蟹問答を利用した水木しげるロードの縁起譚として、蟹坊主が意外な形で組み込まれている。

 

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百々目鬼は金銭を盗んだ女性の腕に盗んだ金の精が鳥の目となって無数に現れた…とされており、当時の銅銭が真ん中に穴の開いた鳥の目のようだったから鳥の目として現れたのではないかと推察されている。「地獄先生ぬ~べ~」でもこの妖怪が登場するが、目が現れることの原因を後ろめたさと解釈しており、「誰かに盗む所を見られたのではないか」という疑念が目となって身体に現れるのだと作中でぬ~べ~は解説している。

原作には登場せずアニメでは今期が初登場。元人間という設定は元の伝承に基づいている(3回も「もと」って言ってるな)。鬼太郎に倒されるものの、後に鬼太郎が妖怪大裁判で窮地に陥った際に弁護側証人として登場した。

 

※SWITCHインタビュー 達人達(たち)「佐野史郎×京極夏彦」を参照。ちなみに京極先生曰く「70点以上はハイレベル」とのこと。

 

ぬらりひょんファミリー登場

上記の文で散々書いているが、今回はぬらりひょんファミリーとの戦いが描かれた回で、3・4期とも異なるファミリー体制で鬼太郎に対抗したのは今のところこの5期だけである。この8話以降、(一時的だが)ファミリー体制が形骸化し3・4期の例にならって強い妖怪を刺客として鬼太郎に送り込むことが続いたが、後に登場するかまいたちがファミリーの一味に加わったことや妖怪城を自分のものにしてからは再びファミリーとしての結束が強まったのではないかと個人的には思う。それだけに、打ち切りエンドで鬼太郎との決着が描かれなかったのが非常に残念だ。

 

今期のぬらりひょんは3期と同様故・青野武氏が声優を担当しており、3期からずっと鬼太郎がぬらりひょんと戦っていた=今回が初めての戦いではないことを視聴者に意識させる作りとなっている。そのため戦法も鬼太郎の能力や強みを封じ込めることに特化した作戦となっているのが今回の物語の注目すべきポイントである。ただ、この周到な作戦も今回のみで、それ以降は3・4期と同様刺客を送ったり強大な力を付けたりと過去作の形式に則った戦法をとっているため、そこが少々勿体ない感じがする。これは鬼太郎サイドにしても同様で、強いキャラや助っ人の付け足しを繰り返して敵妖怪に対抗しているため、キャラの増大化とその処理が5期における課題だったと思う。

 

百々目鬼が最後にとったもの

今回はぬらりひょんとの戦いがメインのため深読みするようなことはほとんどなかったが、ぬらりひょん達が撤退した後に鬼太郎がひとみ(百々目鬼)を看取る場面がある。人間だった時の頃を思い出し、ぬらりひょんの野望の犠牲者となった彼女が最後に鬼太郎の涙を拭う。些細な仕草ではあるが、人であった頃も妖怪になった現在も盗みのために手を汚してきた百々目鬼が、最後に人間として慈悲をかけてくれた鬼太郎に感謝し、鬼太郎の苦しみが少しでも和らぐよう悲しみの象徴である涙を取り去った。この場面は美しくも悲しいが、同時に鬼太郎や仲間の妖怪たちが人間に絶望しない理由もここにあるような気がする。

 

 

さて、次回はシリーズ定番の幽霊電車。6期の再放送で言及したことと重複するかもしれないが、一応感想は書きます。