タリホーです。

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距離をとることは悲劇に非ず、「IP~サイバー捜査班」5話視聴(ネタバレあり)

 えーと、2週間ぶり?何かもっと長かった気がするのは五輪のせいかしら?

 

第5話あらすじ

 ソーシャルゲーム運営会社の社員・鶴本勝弘(谷口知輝)が、ビル屋上から転落死する事件が起きた。被害者が札束を所持していたのか、遺体のそばには1万円札が100枚近く散らばっていた…。安洛一誠(佐々木蔵之介京都府警サイバー総合事犯係は、落下して壊れた鶴本のスマートフォンを復元。すると死の直前、彼は自社でリリースした人気ゲームの画面を開き、犯人と思われる相手に見せていたことがわかる。

 サイバー総合事犯係の係長・平塚栄太郎(杉本哲太は、珍しくリーダーシップを発揮して捜査開始を宣言。実は最近、浪人中の息子・拓夢(森山瑛)が件のソーシャルゲームにハマっていることを知り、親子の会話の糸口になればと考えたのだ。

 さっそく捜査を開始し、鶴本の勤務先を訪ねた古宮山絆(福原遥多和田昭平(間宮祥太朗。社長の吉岡三紀彦(駿河太郎はカリスマゲームプロデューサーとして有名なやり手で、ケンカ別れした創業メンバー・秋原勇次(忍成修吾の会社を、“提携”という名のもとに吸収合併しようとしていることが判明する。

 そんな中、殺された鶴本がシャイロックという名のプレーヤーを探っていた事実が浮上。シャイロックは、レアな武器や防具を備えたアカウントをインターネット上で高額で売りつけている悪質なゲーマーだった。ところが――なんとその正体が拓夢であることが発覚! 事件直前、拓夢が鶴本と会い、札束を渡していたことも明らかとなり、拓夢は殺人容疑者として捜査一課の取り調べを受けることに…。

 息子の知られざる一面を知り、がく然としながらも拓夢を信じる平塚。そんな父としての思いを感じ取った安洛らサイバー総合事犯係は、それぞれ真相究明のために動きだして…⁉

(あらすじは公式サイトより引用)

久しぶりの5話はゲーム会社社員の転落死事件。ハイスペックなアイテムを所持するアカウントを現実世界で売買するというのは決して絵空事ではなく、有名な所だと「あつまれどうぶつの森」で人気キャラ(ちゃちゃまる等)を所持するアカウントを島ごと売買するといったケースがある。ゲーム会社が取り決めた課金制度を逸脱し、ゲーム内のアイテム・キャラクターを得るために現実世界で金銭を払うというのは利用規約違反(ゲーム内の物々交換はOK)なのでご注意を。

ちなみに、劇中の“シャイロック”はシェイクスピアの戯曲ヴェニスの商人に登場する強欲な高利貸しが元ネタ。どういう物語かはドラマの本筋に関わらないのでここでは割愛する。

事件の容疑者に平塚係長の息子が浮上するという展開や、ゲーム開発の創業メンバーの確執を描いた今回は同時に「距離」をテーマにした回でもあった。

 

雑感

・親子に距離があるのは良いこと

今回は親と子の間に生じた溝という、ある意味普遍的なテーマを扱っている。自分の息子が影で悪質ゲーマーとして金を巻き上げているという疑念も出て来るが、そこは1時間ドラマなのであっさり解消されてしまった感があるのは仕方ないとはいえ残念でもある。

間宮さん演じる多和田は「ひとつ屋根の下に住んでいてもお互いを理解できないなんて、皮肉だね」と言うが、お互いを理解するということはそう簡単なことでないし、安易に理解するのではなく適度な距離――「自分は親(子)のことをわかっていない」という認識――をとる方がずっと健全なのではないかとさえ思っている。

私は子供がいる人間ではないので、親視点ではなくあくまで子視点としてしか話出来ないが、もし自分の親が自分の能力・性癖・思想の全てを知っていたとしたら、これほど恐ろしく気持ち悪いことはない。肉親だからといって全てを知る必要はないし不可侵の領域は誰にだってあるべきだから。

あと「親が理解出来るレベルの子」というのは得てして親以上の能力を発揮しにくいというイメージがあって、親が理解出来ない領域にこそ未来を切り開く突破口みたいなものがある…というのは大げさな話だろうか?

 

・倫理上の問題

犯人逮捕のためスルーされているが、被害者が“シャイロック”を探すために未成年の子を囮として巻き込むって、よく考えなくても酷くないか?もっと大人の人で適役がいなかったのかと心の中で突っ込んだ部分だったな。

 

・間宮さんと共演

今回は間宮さんと過去に共演した方が多く出演した。駿河さんと駒木根さん(創業メンバーの一人で太った方)は「べしゃり暮らし」で、なだぎ武さんはこの間放送していた「ボス恋」で間宮さんと共演している。また、直接の共演はこれが初めてだが忍成さんも間宮さんと同じ映画「不能犯」に出演している。