本日10月7日はミステリー記念日。ミステリ小説の始祖と言われるエドガー・アラン・ポーの命日に制定されたこの日に、ミステリ小説の再現島を謳う私、何もしない訳にはいかない。
今日がミステリーの日ならば、ホンミス島としてはお客様を呼んで観光案内をするか、それか面倒だからブログに観光案内の記事でもUPするか…。
— タリホー@ホンミス島 (@sshorii10281) 2020年10月7日
直接島の案内をしたいけど、タヌポータル出来ないからな。早くスマホの機種変更しないと。
という訳で、ホンミス島の観光案内を当ブログにて紹介しよう。出来れば島訪問の募集をして直接ガイドしたいところだが、私タリホーはタヌポータル未対応でありゲーム内チャットでしか会話出来ないことと、今日が平日ということもあり、親切丁寧な対応が出来ないと思うし、募集しても閑古鳥が鳴くのは目に見えてわかるので、ブログをガイドブックとして掲載し、夢訪問という形で来ていただければ幸いである。
※夢訪問についての利用規約は以下の記事に詳細を載せているので、一読のうえ訪問していただけるとありがたいです。
ホンミス島観光案内
注:以下の写真は9月末時点のものです。現在は島民及び島内のレイアウトが一部変更されています。
島全体図
ホンミス島は大きく4つのエリアに分かれており、南西は生活エリア、北西はホラーミステリエリア、南東は迷路エリア、北東は自然エリアとなっています。
生活エリア(南西)
飛行場から出てすぐ、来島した方々を十角形のシンボルマークが出迎えます。
こちらは綾辻行人の代表作『十角館の殺人』の十角館をモチーフとしたマークで、記されたアルファベットは当時館に滞在していた客人が名乗っていた名前の頭文字です。この十角形の不思議な館では恐ろしい惨劇が起こったのですが…詳しくは小説を読み、その衝撃に打ちひしがれてみてはいかがでしょうか。
左に目を向けますと、三体のガイコツが見えます。
こちらは海賊行為や島荒らしに対する警告として置いたオブジェです。今のところ島で荒らし行為の被害が出た事例はございませんが、万が一にもそのような行為が見られた場合、当島は処刑も辞さないレベルで厳正な対処を致すつもりですので、くれぐれもご注意下さい。
飛行場前の待合所を抜け右へ向かうといよいよホンミス島の玄関口。来島の方に向けたガイドブック売り場の前を通ります。
ガイドブックの表紙は血に濡れた髑髏と花びらをあしらったデザインになっていますが、これは横溝正史の短編「花髑髏」を元にしたデザインであり、当島が無人島からホンミス島になった6月16日にフジテレビ系列のドラマ「探偵・由利麟太郎」の1話「花髑髏」が放送されたことを記念して、島設立のモチーフとさせていただきました。
ガイドブック売り場を過ぎると、月光広場に出ます。
月の光を受けたこちらの広場は有栖川有栖の『月光ゲーム』をモチーフとしました。
夏場は月光広場として公開しておりますが、島民に新たな季節の訪れを知らせるため、季節によってレイアウトを変え広場の名称も変更します。その変化も見所の一つと言えるでしょう。
(10月現在、月光広場はハロウィン広場として姿を変えました。「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」のキャラクターが皆さまをお迎えいたします)
広場を抜けると案内所でございます。案内所の左手は島民の家が並ぶ住宅街ですが、プライベートなスペースとなりますので、立ち入りはご遠慮下さい。
案内所の奥は、島民憩いの軽食スペースとなっております。
持ち込んだ食材を料理出来るスペースや水道も完備しておりますが、常設の屋台もございます。貴族探偵も口にした和菓子「バラばんばら」と、島民の時乃さんが足しげく通う那野名物「野沢菜コロケ」はよその島に負けない自信の味です。
※屋台のデザインはドラマ版「貴族探偵」「アリバイ崩し承ります」を元にしています。
一旦飛行場前まで逆戻りして左手の海岸へ向かいましょう。その通りには三軒の屋台が並びます。
月光広場同様、こちらも季節によって並ぶ店が変わります。夏場はかき氷にフルーツジュース、ババヘラアイス、そしてディズニーシーのシーサイドスナックで買えるあの「うきわまん」も販売しておりますので、お求めの方は是非お越し下さい。
屋台通りの南にはオリエンタルな雰囲気のビーチレストランをご用意しております。
敷地面積の都合ゆえ、定員4名までとなっておりますが、プライベート感を味わうにはもってこいと言えるでしょう。ちなみにレストランの名はかのアガサ・クリスティの長編小説『ビッグ4』からとったものです。
他にも、生活エリアにはビーチエリアやよその島へ連絡したい方向けの電話ボックスがございます。
ちなみに、こちらの電話ボックス。かつてイギリスで一人の人間が入ったまま姿を消してしまったと噂される電話ボックスを輸入し、使用できるよう配線工事をしております。どうもこの謎を解いたのは手品グッズを販売する男だったようですが…。詳しくはクレイトン・ロースンの短編「天外消失」を。
迷路エリア(南東)
南東に広がる正五角形の巨大迷路は泡坂妻夫の『乱れからくり』に登場する馬割家に広がる巨大迷路を完全再現したものです。
原作を読まなくても十分お楽しみいただけるとは思いますが、読むとより一層お楽しみいただけます。ゴール地点には景品もご用意しております。
南東のエリアは迷路がメインですが、キャンプサイトにライブスペースなど、来島者を飽きさせない施設が他にもございますので是非お立ち寄り下さい。
また、夜限定ではございますがバー「ブルー・テープ」が東の岩場で開店しております。こちらは無料でカブトガニやダイオウグソクムシと触れ合えるバーとなっております。屋外で波の音を聞きながらの一杯は格別な夜となるでしょう。
※空中浮遊出来るフォトスポットが迷路東側にありますが、バージョンアップによるバグ修正なのか、空中浮遊出来なくなりました。そのため10月10日に解体しております。夢番地ではフォトスポットが残っていますが、恐らく空中浮遊は出来ません。
自然エリア(北東)
北東エリアは未舗装の草原と色とりどりの花が広がり、大自然の息吹を感じさせるエリアとなっております。
夜には灯台が航行者の安全を守っておりますが、島民の誰一人として灯台を動かす者を知りません。それゆえ島民の間では「ヒトナシ灯台」と呼ばれております。
風呂を所有していない島民のために、北の岩場を屋外浴場として開放しております。もちろん、来島者にもご利用いただけます。
お風呂上がりは浴場前休息所でお寛ぎ下さい。囲炉裏のそばには薪と薪割り用の斧がありますが、くれぐれも人に振り下ろすことのないようお気をつけを…。
※こちらの休息所は横溝正史『悪魔の手毬唄』をモデルとしました。
屋外浴場の西、一段上がった崖上には色とりどりのバラが咲き誇るバラ温室がございます。
温室の奥には、あのテニエル博士が生み出した「深海」という名の青バラが咲いております。テニエル博士は数十年前に自宅の温室で殺害された事件でも有名となった方ですが、当時バラ温室は密室だったとのこと。そんな奇妙な密室殺人の顛末は市川憂人の『ブルーローズは眠らない』に記されております。驚愕の真相があなたを待ち受けることでしょう。
ホラーミステリエリア(北西)
北西は横溝正史や三津田信三といったホラーミステリの名手が紡ぎ出した世界を再現・踏襲したエリアとなっております。
生活エリア側にかかった赤い和風の橋を渡り、北へ向かうと八つ墓明神がございます。かつて岡山の『八つ墓村』で畏れられていたこの八つの明神様を移設し丁重にお祀りしておりますため、祟りの心配はございません。来島の際は是非お参りしてみてはいかがでしょうか。
八つ墓明神を抜けますと、道は三つに分かれ中央の道は島民代表のタリホーさんの自宅へ向かいます。自宅前は『犬神家の一族』の菊畑(鬼一法眼三略巻「菊畑」)を再現しており、五体の菊人形が華を添えます。
タリホーさんは、来島者のために自宅を民宿として開放しており、1階に2部屋、地下に1部屋の客室として改装しました。
民宿のテーマは「密室」、つまりミステリの密室殺人の現場再現をテーマとしており、1階はガストン・ルルー『黄色い部屋の謎』と横溝正史『本陣殺人事件』、地下は島田荘司『斜め屋敷の犯罪』に登場する密室を再現しております。
また、1階の奥の部屋は映写室となっており、タリホーさんおススメのミステリ映画やドラマを上映しております。この映写室も、金田一少年の事件簿「銀幕の殺人鬼」に登場する密室を再現しております。
ホラーミステリエリアで最も風光明媚な場所は、自然エリア側の石橋を渡った先にある滝。通称「獄門岩」と呼ばれるこちらの滝は、かつて岩場に生首が置かれるという凄惨な事件が起こりました。これは横溝正史の「首」という短編に記されてます。
獄門岩以外にもこのミステリーエリアには恐ろしい所がありますが、特に恐ろしいのはこの「淡媛(あおひめ)様の祠」かもしれません。
淡媛様は媛首(ひめかみ)村に祀られていたお姫様で、戦国時代に豊臣兵によって首をはねられた悲劇が伝わっております。八つ墓明神はかつての祟り神でしたが、こちらの淡媛様は現在も祟ると言われており、今も島内で「首のない人影を見た」という目撃証言が絶えず報告されています。過去に媛首村では連続首切り殺人があったそうですが、本島でもそのような惨劇が起こらないよう、三津田信三の『首無の如き祟るもの』を参考に、より丁重な供養を心がけております。
他には、地面に即身仏が埋葬されている噂のある「弥勒島」や、迷路のようになっていて簡単に抜け出せない「八幡の藪知らず」があります。
※「弥勒島」は「屍蝋の如き滴るもの」(『生霊の如き重るもの』所収)、「八幡の藪知らず」は「八幡藪知らず」(『ついてくるもの』所収)を参考としました。
和風を基調としたホラーミステリエリアですが、博物館のあるエリアは唯一洋風の文化的な薫り漂うエリアとなっております。
この博物館エリア、少々特殊な地形となっておりますが、これは過去に大鳥様を祀っていた拝殿跡地の名残であり、博物館が建つ崖では鳥人の儀という門外不出の秘儀が執り行われていたそうです。その秘儀に関しては三津田信三『凶鳥の如き忌むもの』に詳細が記されております。
博物館エリアの下には特別展示としてエジプト第八王朝時代のメンハーラ王の墳墓から出土した品を展示しております。
一時期メンハーラ王の墳墓で不審死が連続したというニュースがありましたが、これは探偵のエルキュール・ポワロ氏によって解決しており、メンハーラ王の祟りは無かったということで現在は問題なく閲覧可能です。その事件の詳細はヘイスティングス氏によって「エジプト墳墓の謎」(『ポアロ登場』所収)として記されております。
腰のところでくっついた双子の化石が大きなインパクトを与えますが、実際の悪霊島にあったとされる骨はこれよりもっと小さいとのことです。この不気味な双子の骨が意味するものは何か?是非読んで確かめて下さい。
以上でホンミス島の紹介を終えますが、ホンミス島の全てをここで語った訳ではありません。ここでは紹介しきれなかったフォトスポットや、小ネタがまだまだございますので、それに関しては是非あなたご自身の目で確かめてみて下さい。
それでは、ホンミス島及びホンミス島の夢で会いましょう。
二〇二〇年 十月七日 発行
著者:タリホー(ホンミス島 島民代表)
発行所:ホンミス島
発行協力:たぬきち(タヌキ開発)