タリホーもマンション暮らししたことあるよ。
「4階の部屋」(「四階のフラット」)
原作は『愛の探偵たち』所収の「四階のフラット」。ポワロのお膝元、ホワイトヘイブンマンションで起こった殺人事件を描いているが、前々回の「ジョニー・ウェイバリー誘拐事件」同様、本作も原作未読のため紹介は割愛させていただく。
(以下、ドラマのネタバレあり)
個人的注目ポイント
・The “Third” Floor Flat
本作のサブタイトル「4階の部屋」の原題は「The Third Floor Flat」。
え、4階なのに“Third”?“Fourth”の間違いじゃないか?と思う方もいるだろうが、これは間違いなどではない。イギリスでは地面と同じ高さの階、つまり日本で言う1階を“ground floor”と呼び、その上の2階が“first floor”となるため、4階が“third floor”になる。4階なのに部屋番号が36Bだったのもこういった理由によるものだ。
・Life is Just a Bowl of Cherries
部屋に入れない間、パットとミルドレットが歌っていた曲は「Life is Just a Bowl of Cherries」。「人生はサクランボをお椀一杯に盛ったようなもの」という外国のことわざからとったタイトルで、楽観的に生きることを推奨している。
あの世に行ったらノンノンノン、って所が良いよね。
・謎解きはアッサリ
原作未読のため何とも言えない部分はあるが、今回は物語中盤で謎は解けてしまい、後半は犯人の追跡と真相(殺人に至る経緯)に費やされている。ミステリとして見るべき所は偶然を装った必然という点くらいか。でもこれに関しては後年発表された某作品の方がもっと巧妙だったな~と思う。あと、死体を隠したのは動機に繋がる郵便物を入手することが目的だったが、あの隠し方ではメイドに見つかってたと思うのだがな…(現にジミーが見つけちゃってたし)。
次週は「砂に書かれた三角形」。ドラマとしては初めての旅行モノ。