タリホーです。

趣味を中心とした話題に触れていく所存(本格ミステリ・鬼太郎 etc.)

無料配信期間を利用してドラマ「放課後はミステリーとともに」4回表/裏を視聴

コロナ対策による長期春休みにより、動画配信サイトのHulu とParavi が一部期間限定で無料配信をすると知り、その中で間宮さんが出演していた作品を調べて視聴していたが、この度間宮さんがミステリドラマに初出演したという点で記念すべき作品放課後はミステリーとともにを見つけたので視聴した。

放課後はミステリーとともに (実業之日本社文庫)

www.paravi.jp

間宮さん演じる不良青年の荒木田は準レギュラー的立ち位置のようだが、彼がメインとなるのは4回表/裏の「間違い殺人!~Eの悲劇~」(原作「霧ヶ峰涼の二度目の屈辱」)。

 

主人公の霧ケ峰涼は、美術部の美沙からモデルの依頼を受け、高校のE館(「E」字型の棟)に入った。すると、美術室で石膏像の下敷きとなった荒木田を発見する。赤い絵の具を血と誤認し、殺人だと思った涼が驚いていると、美術室に隠れていた犯人が逃げ出した。涼は学ラン姿の犯人を追いかけるが、途中で生徒会役員の山浦と衝突し見失ってしまう。

犯人が外に逃げたと思った涼はE館の外にいた三人の女子に話を聞くが、館外に出た怪しい人物はおらず、館内もほとんどの部屋が施錠されていて隠れる場所はない。となると、犯人はどこへ消えてしまったのか?

 

消えた犯人を探すフーダニットの趣向が強い作品で、計画的に起こった事実偶然起こった事実を整理して、犯人をロジカルに推理していく展開はよく出来ているが、問題は演出と各登場人物のキャラ設定。

原作の方を読んでいないので、このクド過ぎるまでのコミカル演出が原作準拠のものなのか、ドラマだけの味付けなのかわからないが、まぁ~ミステリに興味ない人が見たらまず間違いなく拷問になるな、と思う。

小説のノリをそのまま映像化すると失敗するパターンがあるが、このドラマが正にそうで、川口春奈さんや速水もこみちさんの努力は認めるが、ハマった感じがしなくて学芸会感が凄いのだよ。でも荒木田はダダスベりさせられるような役どころでない分まだマシだったかな。

 

このドラマが放送されていたのは2012年だが、この時点でまさか川口さんと間宮さんが大河ドラマに出演するなんて夢にも思わないだろうし、特に間宮さんは2020年に再びミステリドラマ「アリバイ崩し承ります」でリーゼントヘアーの役をやるなんて想像出来なかったはずだ。ここまで来ると何かもう運命みたいなものを感じるよね。

 

 

最後に備忘録としてドラマの真相のネタバレ感想を伏せ字で書いておく。

(ここからネタバレ感想ゴチャゴチャした涼の推理にかき乱されるが、やはり計画的事実(涼が美術室に来ること)と偶発的事実(荒木田が美術室に来たこと、美沙がE館入り口にいたこと)の整理から、誤認による襲撃を導き出す推理が鮮やかで、そこから涼と荒木田のことを知らなかった女子が犯人だと推理出来るよう会話劇の中に手がかりが仕込まれているのが秀逸。更に女子生徒が学ラン姿に変装していた点も合理的な説明が付けられていて面白かった。あの変な演出さえなければ良いのだが、原作者が悪いのか、ドラマ制作陣が悪いのか。機会があったら原作を読んで精査してやるからな!(ネタバレ感想ここまで)