タリホーです。

趣味を中心とした話題に触れていく所存(本格ミステリ・鬼太郎 etc.)

そのトリック返しで良いのかと突っ込む「探偵が早すぎるスペシャル」

まだ原作の続編が出てないというのに、スペシャルとして帰ってきたということは、私が思う以上に人気があったんだろうな。木曜深夜枠で続編が来るってあまり聞かないし。

 

新たな刺客はマジシャン

大陀羅一族による怒涛の暗殺計画から約一年後、十川一華は遺産5兆円を相続し以前と大きく変わらぬ生活をしていた。

 

個人的に気になったのは、5兆円を銀行の金庫に保管していた所。以前某誘拐ミステリ小説を読んだ際、1万円札100万枚(100億円)の純体積が約1.14㎥だと知った。ということは、5兆円ともなるとその純体積は570㎥になる訳だから1つの銀行にそれを全て収めるのは無理じゃねーか?と思った。

Huluの方のドラマを見ていないから現金保管なのか金塊にして保管しているのかわからないけど、アタッシュケースに入っていたのは間違いないし、どう考えても全部金庫で保管出来たとは思えないんだがな…。

 

それはさておき、その5兆円を狙って大陀羅一族と並ぶ巨大グループ会長、東前門丈一郎が刺客を雇い、腹違いの妹、星野麗華とその母景子を誘拐。そして一華を殺す刺客としてマジシャンの桝田圭介を雇った…。

(…いやいやここに来て腹違いの妹設定追加してくるのかよ。瑛のキャラ設定がぶれてくるし、大陀羅一族に狙われなかったことが不自然になるぞ)

 

劇中で桝田はマスケランというマジシャン名で登場していた部分があったが、その名前の響きからしてモデルはジャスパー・マスケリンなのだろう。

ジャスパー・マスケリン - Wikipedia

マスケリンはマジシャンの知識を第二次世界大戦の際に有効活用したそうだから、今回登場した東前門は当時のイギリス首相であるウィンストン・チャーチルみたいなものか?大和田さんもちょっとチャーチルと顔が似ているから余計そう思うのだが。

 

前編では小手調べとして錯視と心理的誘導を利用した階段転落トリックを計画し、後編では千曲川に対して3つの殺人マジックの阻止を挑んだ。前編の階段転落トリックは古典的だし確実性に欠けるしで、特別言及するほどでもないかなと思うので割愛。

 

後編の殺人マジックは以下の3つ。

①ガラス箱脱出(星野景子の捜索&救助)

カップと玉(殺人ロシアンルーレット

③「カルネアデスの板」式切断マジック

 

ぶっちゃけマジックらしいマジックは②であとはマジック要素はあまり無いけど、見応えはそれなりにあった。特に②は話の展開上子供が助かるだろうとは思っていても、ハンマーで頭を殴るというロシアンルーレットはなかなかにショッキング。③に関しては深夜ドラマあるあるのチープな小道具ゆえ、刃がどちらも偽物に見えたので全然緊張感はなかったよ。

 

あとマジックを扱っているだけあって、要所要所でTRICKでもやっていたネタがあったなと感じた箇所がある。

例えば後編で桝田が千曲川と一華に見せた「相手が選んだカードを当てて消すマジック」はサイ・トレイラーの回で山田奈緒子が深見博昭に見せたマジックとまんま同じものだったし、殺人マジック①のガラス箱からの脱出トリック劇場版2の一場面を想起させる。前編で桝田がテレビで披露していた人間消失のトリックもトリック劇場版2でやっていた瞬間移動・脱出マジックの変容だったしね。

 

千曲川のトリック返しは東前門・東前門の秘書・桝田をガラス箱に閉じ込め返し、マジックショーという形で暗殺計画をネット中継で暴露したが、東前門はともかくアッサリ脱出した桝田は実質お咎め無しだったから、そこはちょっと不満が残った。

 

1年ぶりの続編で、チープながらもそこそこ面白く見れたし、最早原作とは別物だけどドラマなりの世界観が既に作られているから嫌な感じはしない。

けど読売テレビもHulu商法をやるとはね…。日テレといい、よっぽど「金を払っても見たいと思う人がいる」自信があるのかしら。