のっぺらぼう
44話ゲスト妖怪「のっぺらぼう」
— タリホー@サラリーマン山田 (@sshorii10281) 2019年2月17日
原作「のっぺらぼう」に登場。顔のない妖怪で、人の顔を盗む悪さをする。顔を盗む方法は人魂の天ぷらを相手に食べさせるというもの。天ぷらを食べた者は、顔のついた人魂を口から出す。その顔を使って、のっぺらぼうは自分の顔にするようだ。#ゲゲゲの鬼太郎 pic.twitter.com/eZsYYlD07d
アニメでは、1・3・4期に登場(2期ではモブ妖怪として登場)。基本的に原作を含めて敵にも味方にもなる妖怪として描かれる。3期ではぬらりひょんの手下として登場。4期では蕎麦屋に扮し、鬼太郎のちゃんちゃんこを菜箸で絡めとる等、職人技とでも言うべき身のこなしが鮮やかなのっぺらぼうだった。
6期のっぺらぼうは個性を「取り戻す」妖怪
今期ののっぺらぼうは、OPに登場する妖怪の法則に則り、善の妖怪として登場。アイドルユニット「パラダイス」のチャラ男、北島敦の(SNS上の)友人という形で関わるという設定は、「SNS→匿名→顔が見えない≒顔が無い=のっぺらぼう」という連想から来たものかもしれない。
自分とはかけ離れたチャラ男を演じることに疲れ、自分らしさを失いかけそうになった敦に自分らしさを取り戻してあげたのっぺらぼう。これは勿論今までのシリーズにはないのっぺらぼう像だ。
これまでは顔を盗む、つまり表層的な個性を奪う妖怪としてのっぺらぼうは登場したが、今期は表層どころか内面まで自分らしさを失いつつあった敦に本来の自分を取り戻す勇気を与えたのだ。
のっぺらぼうと言えば、顔が無い無個性の象徴とも言うべき妖怪だが、逆に言えば顔が無いからこそ「のっぺらぼう」であり、顔があると「のっぺらぼう」ではない。そんな当然の理を気づかせてくれたのが、幼少期の敦との出会いのエピソード。顔が無いゆえに怖がられ、子供と遊べないのっぺらぼうは、顔を描いて子供に近づこうとした。のっぺらぼうが自らの個性を失くした瞬間である。そんな彼を救ったのがかつての敦だったという訳だ。
かつて個性を失いかけたのっぺらぼうが、現在個性を失いかけている敦を救う物語。
いや~、話の構成が巧いな~。
意外なゲストキャラ
既に敦がのっぺらぼうという妖怪と関わっていたから、まさか他の妖怪とも関わっているとは思わなんだ。
アイドルユニット「パラダイス」の相方である悠の正体は、白粉婆。王子様系アイドルになりすまし、ファンの女性達を(文字通り)喰っていたのだ。
ところで、のっぺらぼうと白粉婆という組み合わせでピーンと来た方。あなたは通だ。
そう、4期第21話「白粉婆とのっぺらぼう」でこの二妖怪は既に共演していたのだ。
白粉を使用した女性の顔が無くなる事件が勃発。疑われたのっぺらぼう(蕎麦屋の事件以来改心した)が事件の黒幕である白粉婆と戦う回である。
脚本の井上氏が意識したかどうかはわからないが、約20年ぶりにこの二妖怪が再び戦ったというのはファンとして見逃せない。これは今後鬼太郎ファン必見回として語り継がれるな。
さいごに(余談)
・プロットも良かったが、小ネタも効いていた。
〇鬼太郎が敦を待っていた場所は調布市の鬼太郎像が設置されているエリア(以前壊されたニュースがあったトコ)。
〇白粉婆が運転していた車のナンバーは「0461」。
〇パラダイスが出演したバラエティ番組「ハイキング」はフジテレビの「バイキング」をもじったもの。
〇ゴーゴーマンはキャプテンファルコンのオマージュ(?)。
・敦のヒーローオタがバレてファンから引かれる下り、丁度今NHKで放送している「トクサツガガガ」を思い出した。今回の鬼太郎のテーマとはちょっとニュアンスが違うけど「トクサツ~」も大衆から認められない(或いは白眼視されかねない)趣味という部分で一脈通ずる所があったのではないだろうか。
・白粉婆と言えば3期第107話も忘れられない。特にぬりかべファンなら未見は許されない回である。
さて来週は万年竹。タイトルから、ミステリー風味のホラーだと予想。だとしたら私好みではないか!楽しみ!