タリホーです。

趣味を中心とした話題に触れていく所存(本格ミステリ・鬼太郎 etc.)

「水木しげる 魂の漫画展」に行ってきた!

表題の通り。なかなか休みが取れなかったけど、ようやく行く機会が出来た!

 

 

行けたのは嬉しいが、口惜しいのが今年開催されたということ。

実は今年の3月に京都の大学を卒業したばかりで、去年開催だったら展覧会と共に行われた各講演会にも参加出来たのに…。

まだ京都市内の会社に勤めることが出来ていたら良かったのだけれど、今の勤務地が交通の便が悪い田舎だからな。

あ~、京極夏彦先生・小松和彦先生の講演聴きたかったな…。

 

展示は龍谷ミュージアムの2階と3階で行われ、3階→2階の順で巡る。各所に紙芝居の台が置かれており、そこから水木先生の一生が活弁形式で映像として流れていた。

展示は8章で構成されており、少年期のデッサン・風景画、独自の漫画技法、人気三大漫画(鬼太郎・悪魔くん河童の三平)の誕生、戦争体験、水木先生が描いた人物伝、短編、妖怪画、「人生の達人」としての水木先生…という具合に水木作品の良さがぐっと凝縮された展覧会となっていた。

また3階のシアタールームでは、編集者や水木プロのアシスタントの方のインタビュー映像(約13分)が流れている。

 

会場に入った時にまずシアタールームでインタビュー映像を観たのだけれど、特に水木漫画独自の技法の部分に関しては初耳だった部分もあれば、ファンにとってはお馴染みの点描の話もあって面白かった。

で、この映像を観た後に2階に展示されている妖怪画を観に行って「あ~、この部分の点描をあのアシスタントの方がやったんだ!」という感慨に打たれた。

 

まだ観に行っていない方のために言うと、この展覧会、水木作品の原画が拝めるのですよ。印刷物だとわからない筆のタッチが間近に観られるのですよ。

感涙モノですよ。

あと個人的に短編漫画に焦点をあてた展示があったのが良かった。夢の無い社会・文明発展からくる生きづらさを描いたあの名作が紹介されていたし、私もまだ読んだことがない短編も紹介されていたしね。

(一応ファンを自称しているけど未読の作品の方が圧倒的に多いと思う。それだけ奥深いということだ)

それから現在放送中のアニメ6期のアイキャッチで水木先生の絵が紹介されているけど、アニメで紹介された絵も(全てではないが)展覧会で観ることが出来るので、そういう点でもこの展覧会、観に行くしかないという訳だ。

 

私は行ったのは昨日27日で、ちょうどその日は龍谷大学国際学部准教授の方のスペシャトークが行なわれると事前に知っていたのでそれも拝聴した。(約45分)

内容は「水木作品は海外でどう評価されているか」。2000年代頃に『のんのんばあとオレ』『総員玉砕せよ!』でグランプリや遺産賞を受賞したことが取っ掛かりとなって妖怪文化が広まった訳だが、「妖怪」というのは英訳が難しい用語らしく、怪物・幽霊・妖精・超常現象といった“あやしいもの”全てをひっくるめたものとして捉えなければならないと言っていた。

他にも「貸本漫画時代の作品はまだ十分広まっていない」「今後の研究課題として妖怪のジェンダーが挙げられる(妖怪の中でも性別が判明しているものの15%は女性で8%は男性)」「海外の芸術作品からのオマージュ(バックベアードの例のアレ)」「猫娘の萌え化」といったことも話していた。

少々煩雑な気がしたが、興味深い内容だったことは確か。でも一点ちょっと気になったことがあって、今回のスペシャトークはパワーポイントを用いたものだったが、そのスライドの中で「白塗りばばあ」というワードがあった。(ちょうど妖怪のジェンダーについて説明していた下りだったと思う)

これってまさか白粉婆のこと…?

ちょこちょこ誤字もあったからね、多分これも間違いだと思うが。

 

帰る前に受付前のグッズ売り場でクリアファイル・Tシャツ・展覧会の図録・カバンを購入。ざっと9千円くらいしたが、イイ買い物をした。

 

龍谷ミュージアムでの展示は11月25日までなので、ちょっとでも興味ある方は行くべし。イベントもまだまだあるみたいだぞ。