先日届いた DVD BOX、この三連休を活用して一気見したよ~。
(収録作は1話「妖怪が目覚めた日」から12話「首都壊滅!恐怖の妖怪獣」まで)
連続視聴で気づいたけど、1話の目玉おやじの声と12話の目玉おやじの声は随分違う気がする。1話は野沢さんも田の中勇さんのことが頭にあったせいか声が高めなのだが、徐々に力が抜けてナチュラルな感じになっている。同封されていた特製ブックレットでのインタビューでも同様のことを述べていたから、やはりそれなりの試行錯誤はあった模様。
ざっくり振り返り
今思えば6期のコンセプトである「見えないけれどもいる」を示すために1話でのびあがりを持ってきたのはピッタリだと思う。
1話ゲスト妖怪「のびあがり」
— タリホー (@sshorii10281) 2018年4月1日
原作「吸血木」に登場。厳密に言うと妖怪ではなく、地下で独自に発達した生物。
人間を眠り薬で眠らせ吸血木の種を植え付ける。また、目から発する光線は催眠作用がある。#ゲゲゲの鬼太郎 pic.twitter.com/8z2qYr0NuR
一通り原作を読んでいるけれど、人間の目に見えない妖怪って、のびあがりとあとはぶるぶるくらいしか思いつかない。でもぶるぶるは1話に登場する妖怪としてはインパクトに欠けるというか、倒し方が少々特殊だから鬼太郎の物語を飾るプロローグには向かない。
その点のびあがりは妖怪としての得体の知れなさや怖さを体現しているから1話にピッタリだよなと視聴していて思った次第。吸血木の種を人間に植える目的がわからないというのが不気味だし、生きながら木にされるのだからホラーとして最適な妖怪だ。
あと構成の点でも気になったことが。3期以降1話というと鬼太郎をはじめとするレギュラーメンバーの顔見世的な意味合いもあったのだけれど、今期の1話は鬼太郎と目玉おやじ以外のレギュラーメンバーは登場せず(猫娘は顔から下だけの登場)、犬山まなを中心とした視点で物語が進んでいた。これはなかなか挑戦的というか、これまでの鬼太郎シリーズで出来上がっていた様式を再構築しようとしているな、と感じて良かった。
そして言うまでもなく脚本が秀逸なんだよな。
3話の妖怪城の回では東京五輪の会場設営が妖怪城の復活と結びつけられている所が巧いな~と思ったし、7話の幽霊電車回は「地獄流し」の要素を加味して人間の恐ろしさを表現している点が素晴らしい。6話のすねこすり回のように感涙をもよおす話もあれば、9話のような社会風刺とギャグが効いた回、11・12話のようなガチバトル回もあって、この1クール分で鬼太郎の物語がバリエーション豊かだということを世間に知らしめたのではないだろうか。
最後に一言。9話を観て「あれ?これ河童たちに西洋妖怪たちの尻子玉取ってもらったら勝てるのでは?」と思ったのだが、どうだろうか?