タリホーです。

趣味を中心とした話題に触れていく所存(本格ミステリ・鬼太郎 etc.)

オムニバスドラマ「水木しげるのゲゲゲの怪談」を覚えてるか?

ゲゲゲの鬼太郎第6期が週末の楽しみとなっている今、この時期ふっと思い出すのが、5年前に放送されたオムニバスドラマ水木しげるのゲゲゲの怪談」である。

 

このドラマ、当初は全国ネットで放送される予定が特別番組に差し替えられて放送延期になった上、予定変更で関東ローカルで放送されたという、不遇な扱いを受けたスペシャルドラマなのだ。

水木しげるのゲゲゲの怪談 - Wikipedia

内容は「砂かけばばあ」「妖怪枕返し」「不死鳥を飼う男」「永仁の壺」の4編。貸本漫画時代の作品の映像化にも挑戦した作品であり、「妖怪枕返し」「不死鳥を飼う男」「永仁の壺」の3編はホーム社漫画文庫の貸本名作選で読める。

 

私が住んでいる地域は残念ながら関東ローカル枠から外れていたので、やむなく動画サイトの力をかりて視聴した。

感想としては、「LiLiCoさんの砂かけばばあはハマリ役」「又吉さんはやはり演技には不向き」「永仁の壺は改悪の極み」という感じ。特に「永仁の壺」は作品の元ネタとなる事件を完全に排除している点と、原作のように学生二人ではなく夫婦に改変したせいで、原作独特の味わいが完全に無くなり、ベタな人情ものになってしまったという意味で駄作である(子役の演技も正直浮いていたしね…)。

永仁の壺事件 - Wikipedia

それでも、貸本漫画時代の作品を映像化しようとする気概はエライと思うし、水木先生の短編漫画は鬼太郎とは違った面白さがあるということを発信した点で評価すべきではないだろうか。

 

さて、あれから5年。アニメの方も50周年記念で盛り上がりを見せている今こそ、「水木しげるのゲゲゲの怪談」を再始動すべきでは?と思っているのだが、やるなら中途半端なホラーにせず、ホラー・社会風刺・ユーモア系とはっきりジャンル分けして映像化して欲しい。

ホラーなら「猫又」「群衆の中に」「鉛」「草」

社会風刺なら「太郎稲荷」「ろくでなし」「ハト」「忍者無芸帳」「忍者は一度勝負する」「一陣の風」

ユーモア系なら「霊魂泥棒」「アマゾン大明神」「危機一髪屋」

が、妥当な所だろうか。

でも水木作品を映像化するにあたっては作品選びもさることながら、やはり演出・脚本家が余計な心情を差し挟まないことが一番重要な気がしてならないのだ。